「数字よりフルスイング」“身長2m、体重100kg”巨人・秋広優人が“決意の宣言” 思い出すのは“満塁男”駒田徳広…王貞治の教え子が語る秋広への助言
「3割20本打てた景色を見たら、変わる」
そう考えればただフルスイングするだけでなく、自分の器用な腕使いを発揮しながら、打率を残すような形も追求できるかもしれない。 「3割以上打ったら、多少、本塁打が少なくても、ジャイアンツファンは推してくれるよ。それで秋広自身も3割、20本を打てた景色を見たら、自分がそこかラプラスアルファをどうやっていけばいいかは、思考も変わるし、コーチへの質問、コーチからのアドバイスも変わってくる。そういうやり方もあると思うんですね」 世界の王から目をかけられながら、ついにそのお眼鏡通りの選手になれなかった。それでもその教えを受けることで、自分らしい選手としての道を見出した駒田監督の、それが答えだった。 現役を引退して王さんからは「駒田、お前は70%の選手だったな」と言われたことがある。40本を打つ才能がありながら、その才能の30%を3割を打つことに使った。 「だから70%だよ」
王さんの最初の教え子は誰?「駒田くんだよ」
王さんはこう言って穏やかに笑っていた。 「今でも僕は王さんに本当に感謝しています。でもそれ以上に途中でケツを割るし、最後まで出来ずに、本当に申し訳なかったなという思いは消えることはなかった」 駒田監督は当時を振り返ってこう語るが、後にある人からこんな話を聞いて、ほんの少し心が安らいだという。 「実は王さんに『最初の教え子って誰ですか? 』って聞いたことがあるんです。そうしたら『駒田くんだよ』って言っていましたよ」 その言葉を聞いて駒田は心の底にあった澱のようなものが消えていくように感じた。 「それだけで十分でした。いまだに半人前だなと思って生きていることに対しても納得するというか、満足できました」 叱咤激励しスラッガーとして育てようとする阿部監督の思いに、来季の秋広がどんな答えを出すのだろうか。その答えは阿部監督の思うようなものでないかもしれない。しかし駒田監督が語るように、まず20本を目指し、の目標を達成したその先に40ホーマーを目指すスラッガーなのか、それとも駒田監督のようなバッターになるのか、が見えてくるのかもしれない。そこできっと本当の自分らしい選手像を、秋広は見つけられるようになるのだろう。 そしてそれこそが本当に一皮剥けた秋広の姿であるはずだ。
(「プロ野球亭日乗」鷲田康 = 文)
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