「自由診療は野放しになっている」 “ネット広告”が「優良誤認表示」に該当するとして、消費者団体が医療クリニックに差し止め請求
多数の医療機関が「優良誤認表示」を行っている
4月上旬、消費者機構日本は、治療法に関する医学的な疑問点について質問書をサカイクリニック62に提出。クリニックからは「直ちに、問題となっている広告を停止する」との回答があった。 しかし、1~2か月経過しても広告は表示されたままであった。機構が再度問い合わせたところ、クリニックは「来年あたりに改訂する予定」と返答。 機構は5月と6月にかけて正式に広告の停止を求めたが、クリニックは「来年に改定する」との返答を繰り返した。 機構はクリニックの対応を「時間稼ぎであり、差し止めに応じる意図はない」と判断して、消費者契約法に基づき「1週間以内に削除しなければ提訴する」と予告書面を送付。クリニックからは「顧問弁護士と相談しながら修正を進めている」という旨の返答があったが、具体的な修正時期は示されなかったため、提訴に至った。 なお、訴訟中にクリニックが広告を修正すれば、和解で解決する可能性もあるという。 基本的に、適格消費者団体は、実際に起こった被害の相談を受けてからでないと事業者に対する訴訟の提起などができない。今回は、財産的被害の訴えが消費者からあったために、サカイクリニック62が訴訟の対象となった。 「医療広告の優良誤認表示を行っている医療機関は、ほかにも多数存在する。いずれも非常に問題がある。 今回の訴訟は、あくまで『手始め』。今後、機会があれば、他の医療機関についても取り組んでいきたい」(宮城弁護士)
弁護士JP編集部