【独占直撃】ライアン・ムーアのルーツを藤井勘一郎元騎手が深掘り!「しっかりとした仕事をすることが私の使命」
憧れていたジョッキーとは?
――この3人の調教師さんは日本の競馬ファンも耳にしたことがあるはずです。憧れていた騎手はいらっしゃいましたか ムーア 最も影響を受けたのは、ナショナルハントのジョッキーであるA・P・マッコイです。彼はキャリアで4500勝近くの勝利を挙げて、20年連続で障害のリーディングとなった偉大なジョッキーです。彼からは勝利への執念を学びました。平地のジョッキーでは、ミック・キネーン、ジョニー・ムルタ、キーラン・ファロン、パット・エデリーなどが挙げられます。英国以外では米国のギャレット・ゴメスや豪州のジョッキーたちなど、影響を受けた方は数え切れません。それぞれのスタイルを取り入れ、参考にしています。 ――素晴らしいジョッキーたちから技術を取り入れているわけですね ムーア 多くのジョッキーを参考にしていますが、最も大切なのは騎乗する1頭1頭に対してベストを尽くすことです。依頼を頂いた関係者の期待に応えるため、しっかりとした仕事をすることが私の使命です。ジョッキーは常に結果を求められます。謙虚でありながらも勝利への強いこだわりを持ち、日々調教に参加し向上心を持つことが重要です。 ――日本でもムーア騎手のプロフェッショナルな姿勢はよく知られています。私が驚いたのは、マイルCSの後に調整ルームでお会いした際、手に持っていたのが炭酸水とバナナだったことです ムーア 良いパフォーマンスをするためには、体調管理が非常に重要です。レースではケガをすることもありますが、早く復帰するためには体のケアが欠かせません。ベストな状態でなければ、結果が出なかったときに後悔します。だからこそ、常に自分を整えておくことが大切です。 ――日本では競馬以外の日でも、常に仕事のことを考えているのですね ムーア 競馬が週に2日しかないというのは、私にとって少し物足りないですね。馬は365日24時間、ケアが必要な動物です。競馬に携わる者としては馬の小さな変化も見逃したくありませんし、日本に来た以上、勝つための準備を惜しむことはできません。ただ、毎年クリスマスの時期には数日間家族と過ごし、リフレッシュして次のシーズンに備えるのが恒例です。
東スポ競馬編集部