三菱ギャランΣ(昭和51/1976年5月発売・A123A型) 【昭和の名車・完全版ダイジェスト089】
走りだけでなくラグジュアリー性や安全性にも目を向けた
この連載では、昭和30年~55年(1955年~1980年)までに発売され、名車と呼ばれるクルマたちを詳細に紹介しよう。その第89回目は、ギャラン4ドアの後継として登場した、三菱ギャランΣの登場だ。(現在販売中のMOOK「昭和の名車・完全版Volume.1」より) 【写真はこちら】 フロントからリアにかけてスマートなボディラインを持たされたΣ。なだらかに下っていくトランクのラインも特徴となっている(写真は1600GS)(全4枚)
昭和51(1976)年5月に三菱自動車が市場投入したセダンが、ギャランΣ(シグマ)だ。ギャランの名称は走りの良さやタフさを象徴する方向だった。ただ、時代の変化を読んだ三菱は、路線を変更しソフトさや安全性、豪華さを打ち出した。 Σは従来のギャラン4ドアシリーズに代わるもので、トップグレードのGSRを含めて13車種の豊富なバリエーションを持つのも特徴だ。ちなみにΣの名称は「あらゆる面での良さを集大成した」という意味合いで採用されたものだった。 エンジンは1600GS(写真)に搭載された4G32型1.6L SOHCのほかに、サイレントシャフトを備えた1.8L SOHCと2ℓ SOHCもラインナップされていた。とくに2Lエンジンには「アストロン80」という愛称が与えられ、もっともパワフルなグレードの2000GSRでは、圧縮比アップとツインキャブによって115ps/16.5kgmを発生していた。排出ガス規制に対しては、サーマルリアクターとEGRを装着したMCAシステムで対応している。 サスペンションは、フロントがストラット式を採用した。リアは4リンク式リジッドを採用している。クルマに対する安全意識もこの頃から高まってきており、事故のときには前後が潰れてキャビンを保護する3ボックスタイプボディを採用したことや、固定式の3点式シートベルトではなくGセンスタイプELR付ユニベルトを採用した。 その後、Σの名前が与えられたセダンは3代続き、平成2年(1990年)にディアマンテに引き継がれるかたちで23年間という長寿を全うすることになる。
三菱ギャランΣ(A123A型)諸元
●全長×全幅×全高:4330×1655×1360mm ●ホイールベース:2515mm ●車両重量:1070kg ●エンジン型式・種類:4G52型・直4SOHC ●排気量:1955cc ●最高出力:115ps/6000rpm ●最大トルク:16.5kgm/4000rpm ●トランスミッション:5速MT ●タイヤサイズ:185/70HR13 ●新車価格:130万5000円
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