金正恩氏、トランプ氏当選後初のメッセージ「戦争準備完成に総まい進…核武力強化は不可逆的」(1)
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が「核武力強化路線」を絶対に交換しないと改めて強調し、「戦争準備の早期完成に向け総まい進しなければならない」と注文した。全軍の現場指揮官を10年ぶりに集めた席でだ。米国の新政権発足を控え、派兵を通じてロシアと密着する中で核を交渉テーブルに上げないという意志を再び明らかにした形だ。 ◇死活的課題は戦争準備 労働新聞は18日、金委員長が14日から15日まで平壌(ピョンヤン)で開いた朝鮮人民軍第4回大隊長・大隊政治指導員大会の最終日に参加して演説したと報道した。北朝鮮が同大会を開催したのは2014年から10年ぶりだ。 金委員長は演説で「わが武力各級はすべての活動を戦争準備に徹底的に指向服従させその早い完成に向け総まい進しなければならない。現在の主観的・客観的形勢で戦争準備完成は1日も先送りできない焦眉の課題」と強調した。 続けて「わが武力の戦争準備が完成する時点がわが国家の主権と平安が永久化される時点。改めて強調するがわが武装力において一番重要で死活的な課題は戦争、戦争に対処した準備」と話した。 金委員長が第一線の指揮官に戦争準備を強調したのは現在の朝鮮半島情勢をそれだけ厳重に見ているという話だ。最高司令官である金委員長が直接現場指揮官に政治思想、軍事技術、実戦訓練、戦闘指揮能力、戦闘警戒勤務強化のような核心能力強化を注文したのもこうした分析を裏付ける。 ◇金委員長、米大統領選後初の対米非難 実際に金委員長はこの席で「平和と安定の破壊集団の頭目米国の汚いアイデンティティ」と言及して米大統領選挙後初めて強硬な対米メッセージを発信した。「(米国が)韓国とその周辺で毎日のように戦略的軍事装備手段を投じ、NATO構成国をはじめとする同盟国の武力を引き込んで侵略戦争に熟達させるための各様各態の訓練を猛烈に広げている」としながらだ。 また、彼は「(米国が)韓米同盟を完全な核同盟に変異させ、米日韓三角軍事共助を強化する方法として『アジア版NATO』を急いでスタートさせた」と指摘した。続けて「いまや有事の際に米帝と追従国の軍隊が国連でなくNATOのような軍事同盟の看板を使って朝鮮半島地域に堂々と現れるとしてもおかしなことはひとつもない状況」と主張した。 これは金委員長が韓米同盟を中心にした対北朝鮮抑止構造が韓米日と北大西洋条約機構(NATO)まで参加する安全保障協力に拡張することに対する警戒心を示したとみることができる。実際に北朝鮮軍派兵後に韓国とNATO、欧州連合(EU)間の安保共助はより緊密になっている。 専門家らは今回の演説が北朝鮮軍のロシア派兵事実が住民に知らされる可能性に備えた側面もあるとの分析を出した。金委員長の「有事の際NATO出現」の言及も朝ロ間の包括的戦略パートナー関係に対する条約で軍事的相互援助の道を開いておいたことを念頭にした防衛論理とみられる。