インドが日本の人手不足救う 14億人の活力、介護からITまで人材の宝庫
インド人材はどのような特徴や強みを持っているのか。現地で日本語学校を運営し、これまでに日本での就業を希望する約290人を送り出したというARMS(愛知県刈谷市)は出身地別に次のように分析する。
北インドは、日本で技術を学び、将来は自分で会社をつくりたいという夢を持つ若者が多い。適職として機械やプラスチック成形、工業包装を挙げる。
北東インドは「東洋人の顔立ち」といい、性格はおとなしくて働き者。キリスト教信者が多く、食事制限もない。適職は建設や農業、食品製造などだ。
南インドは穏やかな性格で、日本企業が多い地域でもあり日本人に良好な印象を持つ。将来はエンジニアとして働ける学歴や知識を持つ人も少なくなく、機械や建設、介護などが適職だと考えられるという。
インドは職業選択の自由を阻むカースト制度の縛りがあることが知られるが、IT分野は近年登場した職種であり制度の制約を受けにくいことから、その分野にたけた人材が多いとされる。日本でもこのような人たちを中心に同族を頼って集まっている地域があり、4千人ほどが住んでいるという東京都江戸川区の西葛西は「リトル・インディア」と呼ばれている。
ARMSの担当者は「インドで非常に優秀な人材は米国や香港に行く。多くのインドの若者にとって、今の日本は目指すのに〝ちょうどいい〟国」と話す。
■円安で日本に来るメリット少なく
日本で働く外国人は増加の勢いを取り戻している。厚生労働省によると、昨年10月時点での外国人労働者は過去最多の204万8675人(前年同期比12・4%増)で、08年の統計開始以来初めて200万人を超えた。新型コロナウイルス禍で伸びは鈍化していたが、増加率はコロナ禍前の19年の13・6%増と同水準となっている。
国籍別で最多はベトナムの51万8364人で、中国39万7918人、フィリピン22万6846人と続く。ごく少数のインドの個別の記載はない。
在留資格では「専門的・技術的分野」が59万5904人(24・2%増)と、過去最高の伸びを記録。この分野のうち「特定技能」が13万8518人(75・2%増)。「技能実習」は41万2501人(20・2%増)だった。