認知症の人にラクに伝わる言いかえフレーズとは?「薬を何度も飲もうとする」「デイサービスに行きたがらない」そんな時こそ寄り添って
平均寿命が延びる中で認知症患者も増え、厚生労働省の発表によると、2025年には65歳以上の5人に1人に達するとの推計もあります。認知症の症状は人それぞれ異なるため、介護者側とのコミュニケーションが上手くいかず、お互いにストレスを抱えてしまう場合も。大阪大学名誉教授の佐藤眞一先生いわく「認知症の人の発言や行動は、その言動をする理由を知れば、介護はラクになる」とのこと。今回は認知症患者の方への声の掛け方について、より伝わりやすくなる“言い換えフレーズ”をご紹介します 【書影】認知症の人に伝わりやすい声かけで、コミュニケーションがラクになる!『認知症の人にラクに伝わる言いかえフレーズ』 * * * * * * * ◆認知症の中程度段階の症状とは 中等度:日常生活が困難に。さまざまな場面でサポートが必要になってくる。 軽度から中等度に差しかかってくると、さまざまな問題が出てきます。 例えば、お風呂に入らない、ものやお金を盗られたと妄想する、徘徊(ひとり歩き)をする、ゴミをため込むなど。 軽度の頃よりも記憶障害が加速し、新しい出来事が覚えられなくなります。軽度の頃には役に立ったメモも、その存在自体を忘れてしまいます。 このように日常生活に支障をきたすため、自立した生活は難しくなり、多くの場面でサポートが必要になります。 ただし、記憶は残らなくても感情は残ります。 デイサービスなどのサポートも検討しながら、家族のコミュニケーションが少しでもうまくいくように、認知症の症状とうまく付き合っていきましょう。
◆薬を何度も飲もうとする ×ついつい: もう飲んだでしょ 〇こう言う: (サプリメントを渡して)これを飲もうね 薬の飲み忘れ自体は誰しも経験することですが、認知症によって記憶力や判断力が衰えると、薬を飲んだという行為自体を忘れてしまいます。 家族が飲んだ薬のPTP包装を見せ、客観的な事実を示しても、本人は「飲んでない」という認識のため、納得してもらえないこともしばしばあります。 「飲んだ」「飲まない」という口論はかえって執着心を増します。こういうケースでは服薬しても害のないサプリメントなどを渡し、「薬を飲まなければ」という執着を取り除くのが得策。 過剰服用を防ぐためのプラセボ(偽薬)もあります。医師や薬剤師に相談してみるとよいでしょう。 認知症の人の心の中:今日はまだ薬を飲んでないんだった!薬は忘れずちゃんと飲まないとな