認知症の人にラクに伝わる言いかえフレーズとは?「薬を何度も飲もうとする」「デイサービスに行きたがらない」そんな時こそ寄り添って
◆デイサービスに行きたがらない ×ついつい: 行かなきゃダメだよ 〇こう言う: 今日はお出かけの日だよ(スタッフと連携して声かけする) 認知症の症状が進むと、デイサービスが何なのか、なぜ知らない場所に行かされるのかが理解できず、不安が増すことになります。結果、これまで問題なく通っていたのに、ある日突然デイサービス拒否につながることも。 不安や見当識障害以外に、「やりたくないアクティビティがある」「そりが合わない人がいる」など別の理由がある場合もあります。デイサービスがどんなところか理解した上で嫌がっているようなら、施設のスタッフに様子を聞いてみるといいでしょう。 通っているデイサービスがどうしても意にそわないようなら、本人が安心できるところに変更するのも一案です。 認知症の人の心の中:どこに連れていかれるの?わからない……怖い……行きたくない
◆お風呂に入らない ×ついつい: 汚いでしょ! 〇こう言う: 温かくて気持ちよくなるよ( デイサービスでの入浴を利用するのもよい) 認知症のある方がお風呂を嫌がる理由はさまざまです。例えば、入浴という行為自体が億劫に感じることもあれば、「寒いから服をぬぎたくない」「浴槽をまたぐときに転ばないか不安」「お湯の熱さが不快」などの理由も考えられます。遂行機能が低下すると、衣類の脱ぎ着や入浴の手順がわからなくなっていることも。 不安が高まっているところに、無理やり服を脱がされたら抵抗するのは当たり前のこと。総じて家庭での入浴は介護の負担が大きく、転倒の心配もあります。毎日入らなくても清潔が保てればよいと割りきり、デイサービスの入浴を利用するのも手です。 認知症の人の心の中:めんどうだし、入らなくてもいいか。昨日も入ったし、汚くないわ ※本稿は、『認知症心理学の専門家が教える 認知症の人にラクに伝わる言いかえフレーズ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです
佐藤眞一,島影真奈美