2025年は「Linux」飛躍の年--性能向上、新デスクトップ、市場シェアなどを予測
2025年に起こりそうなことを思案するのは時期尚早に思えるかもしれないが、もう11月の下旬に入っているので、2025年の予測を立てるには絶好のタイミングだ。十分な情報があれば、コンピューターソフトウェアやシステムなどの進化を見通すのはかなり簡単だろう。 2025年には一体何が待っているのか。ここでは「Linux」OSに関する筆者の予測を紹介する。今回は、実現困難な望みを抱くのは控えることにした。 パフォーマンスの大幅な向上 この数週間で、Linuxカーネルのパフォーマンスが1行のコードによって4000%向上したとの報道があった。確かに、このパフォーマンス向上は人工的なテスト環境に限定されたものだが、Linux OSが到達可能なパフォーマンスの水準を示している。 それを踏まえて、Linuxカーネルのパフォーマンスが今後1年で大きく伸びると筆者は予測する。それだけではなく、Linuxのパフォーマンス向上は「macOS」と「Windows」の両方を完全に打ち負かし、パフォーマンスが最も優れているのはどのOSかについて、議論の余地がなくなる(僅差にすらならない)ほどだろう。 推測だが、このパフォーマンス向上を実現するのは大企業(IntelやAMDなど)ではなく、1人のカーネル開発者ではないだろうか。なぜそう考えるかというと、個人の開発者たちは、パフォーマンスがLinuxにおいて非常に重要であることや、このような改善がLinuxの利用者の増加につながる可能性があることを分かっているからだ。 System76の「COSMIC」デスクトップが大きな成功を収める 筆者はしばらく前からCOSMICデスクトップを心待ちにしている。ご存じない方のために説明しておくと、COSMICデスクトップは、LinuxベースのデスクトップとノートPCのメーカーとして広く知られるSystem76が開発中のOSだ。 「Pop!_OS」は長年にわたって「GNOME」デスクトップをベースとしており、System76は独自のディストリビューションを自社開発することの利点を認識していた。その理由の1つは、自社のハードウェアに合わせて完璧に調整できるOSがあれば、パフォーマンスと信頼性をさらに高められることだ。 筆者はCOSMICデスクトップがすぐに大人気のLinuxディストリビューションになると確信している。2025年中にそうなるはずだ。 COSMICデスクトップは現在、アルファリリースをダウンロードすることができる。まだ一般利用が可能な段階ではないため、予備のコンピューターで実行するか、仮想マシンとして実行するのがいいだろう。