2025年は「Linux」飛躍の年--性能向上、新デスクトップ、市場シェアなどを予測
市場シェアがついに5%を突破 筆者は2023年、Linuxの市場シェアが10%近くに達すると予想した。それが大幅な増加であり、実現の可能性がかなり低いことは当時から分かっていた。しかし、2024年のLinuxの市場シェアは5%に迫っているため、2025年に5%の壁をついに突破すると考えて問題ないように思う。 さらに素晴らしいことに、その大台を超えてから再び下がることはないだろう。2025年はデスクトップでのLinux利用の増加が本格的に始まる年になると確信している。その要因として考えられるのは、筆者が予測したパフォーマンス向上や、オープンソースソフトウェアを使用するメリットにユーザーが気づき始めたことなどがある。いずれにせよ、実現はするだろうし、そうなった日は素晴らしい1日になるだろう。 ゲームエコシステムの拡大 Linuxが5%という誇らしい市場シェア(少し皮肉を込めている)を達成しそうなもう1つの理由は、「Steam」だ。予想されるパフォーマンスの向上と「Wayland」の採用拡大により、Linuxのゲームエコシステムは2024年に急激に拡大するだろう。ゲーム業界が約5000億ドル規模の業界であることを考えると、Linuxがこの市場に参入して、支持と使用を拡大していく必要があるのは当然のことだ。 2025年はLinuxのゲームの当たり年になるだろう。パフォーマンスと安定性の向上にとどまらず、提供されるゲームの数が増え続けるはずだ。 AIの影響は小さい 人工知能(AI)機能で興味を引こうとするニッチなディストリビューションはいくつかあるが、AIがLinuxデスクトップの一部になるとは思えない。AIは成層圏に突入するロケットのように飛躍し続けるはずだが、Linuxデスクトップで重要な存在になるとは考えにくい。 皮肉なことに、大半のAI企業は、自社の製品とイノベーションを推進するために、Linuxやオープンソースソフトウェアに依存し続けるだろう。しかし、だからといってAIがLinuxデスクトップに組み込まれるわけではない。なぜなら、多くのLinux開発者は、トレンドに対する関心よりも、ユーザーの役に立ち、普通に機能するソフトウェアを開発することへの関心の方がはるかに強いからだ。AIを追加すると、複数のレベルで物事が複雑になるだろうし、AIは全く必要ないだろう。 この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。