美肌の湯で「肌が溶ける」!?「温泉が体にいい」の根拠&真実に迫る〈ゆーまん博士の最新科学CatchUP〉
【教えて!】温泉のいったい何がどういいの?
長い夏が終わったと思ったら、秋をすっ飛ばして早くも冬の空気です。リカちゃん一家は、今日は近所にできた天然温泉が売りのスーパー銭湯へとやってきました。リカちゃんは初めての温泉に興味しんしん。 【画像7枚】ゆーまん博士の話をマンガでチェック! 温泉は違うわぁというママに、家のお風呂と違うの? 温泉とお風呂は違うの? となぜなぜです。温泉とお風呂では何が違うんでしょうか?
【ゆーまん博士が説明】美肌の湯で「肌が溶ける」!
温泉に行くと効能の看板が掲げられています。この温泉はナトリウム泉で切り傷、やけど、皮膚病、リウマチ、疲労回復などなど薬のようなことが書いてあります。本当なのでしょうか? 温泉は湯冷めしにくいとも聞きますが、なんかウソっぽい。お湯はお湯じゃないの? と思いませんか? しかも美肌になるなんて、盛り過ぎだろうと思いますよね。 ところがです。調べたら書かれている通りで、むしろ効果効能が一般にちゃんと伝わっていないんじゃないか、温泉は過小評価されていないか、と思ったわけです。 ■温泉とひとくちに言っても・・・ 温泉はお湯に含まれている成分で大きく分けて5種類あります。単純温泉、塩化物(ナトリウム)温泉、硫黄温泉、アルカリ温泉、炭酸温泉です。他にもたくさんありますが、ざっくり5種類。ちょっとずつ効果が違います。 単純温泉は成分の含有量が少ない温泉で、少ないとはいえただの水ではありません。温泉として一定の効果はあります。他の4つの温泉の効果を弱くしたものと考えていいでしょう。 塩化物(ナトリウム)温泉はナトリウム成分が多く含まれています。塩水?と思いますが、他にも成分は含まれています。重曹成分が含まれていても塩化物(ナトリウム)温泉です。硫黄温泉は硫黄分が多い、湯の花の咲く温泉ですね。 ナトリウム温泉も硫黄温泉も、どちらも殺菌力が強いため、傷の治りに効果大。硫黄温泉は角質を溶かす作用もあるため、特に皮膚病に効果があります。 アルカリ温泉は美肌の湯と言われます。なぜかというとアルカリ性なので皮膚の表面を溶かしてしまうのです。これは同じことが硫黄温泉にも言えますね。 ■温泉で肌が溶ける!? 美肌の湯に長く入ると皮膚がぬるぬるしてきます。あれはお湯がぬるぬるしているのではなく、肌が溶けているんです。ひと皮むけたいい女になりますが、気をつけないと角質が溶け過ぎて肌荒れの原因になります。浴場には、湯に入るのは15分以内など注意書きがあると思うので守ってください。 炭酸温泉は炭酸ガスを含む温泉で、炭酸ガスは皮膚から吸収されます。炭酸ガスが血管に入ると体は炭酸ガスを排出しようと代謝を高めるため、血流が増して血の巡りが良くなります。だからただのお湯よりも、ずっと体が早く温まるわけです。硫黄温泉に含まれる硫化水素にも同様の効果があり、体を温めます。 ■体を温めることのメリット 温泉は湯冷めしにくいというのも本当です。温泉に含まれているナトリウム成分などが皮膚の表面に薄い膜を作り、体温を逃がさない働きをするのです。市販の温泉の素にも重曹などのナトリウム分が配合され、湯冷めしにくくなっています。 寒い季節、温泉に入って芯から体を温めましょう。体温が38度を超えると、体から熱ショックたんぱく質という物質が分泌され、免疫力をアップさせ、体の組織を効率よく治してくれます。入浴の目安は40度のお湯に20分間。炭酸泉などは温まるのが早いので、15分でOKですよ。
ゆーまん博士のワンポイント
●美肌の湯は肌が溶けるので美肌に! ●炭酸温泉は早く体が温まる ●温泉で湯冷めしにくいのは、皮膚に膜を作るから
構成・文/川口友万 漫画/まめこ