妊娠9ヵ月の女医、出産とキャリアを両立させるには?「”無理な理由”を考え出すとキリがない」
宅浪での医学部再受験を経て29歳で医師国家試験に合格。臨床医として研修をスタートさせたちまさん(@chimachima_chim)のSNSでの発信が話題に。なんと20代最後の年に、研修医としての新生活に、結婚、妊娠・出産が一度に押し寄せることとなり、ライフステージに劇的な変化をもたらしたという。女性医師の産休や育休は、その後のキャリアを考えるとなかなか難しい側面もあるが、妊娠適齢期に直面したときにはそのバランスをどう捉えたらいいものなのか。実体験をもとにちまさんに話を聞いた。 【写真】美人女医・ちまさんの袴姿、ワーキング妊婦研修医に
■妊娠中に医師国家試験の勉強もしていた…「両立可能」と判断した真意
――29歳で「大学卒業・研修医スタート・結婚と妊娠」が同時にやって来たそうですが、どのようにして全てをやり切る決断に至ったのですか? 【ちま】妊娠したのは昨年の秋頃で、今後のキャリアを見据えたときに、やるべきことが2つあり、どちらも両立可能と考えました。まずは1月の「医師国家試験」、次に4月から始まる「2年間の初期研修」です。国家試験の勉強に関しては「悪阻の度合いはわからないけどなんとかなる、やろう」という楽観的な考えがありました(笑)。 初期研修は「90日間休みがあると修了できない(延長になる)」との規定があったので、最短の産休期間なら両立可能だと予測しました。 ――実際にはどうでしたか? 【ちま】将来像の話をする上で、夫は「家族が軸」という価値観があり、「育休を取る」と言ってくれていました。また、国試直前は安定期だったことや、運良く悪阻がほとんどなかったこともあり、無事に国家試験に合格することができました。現在妊娠9ヵ月ですが、今のところ順調に研修医として勤務を続けることができています。 ――現在、妊娠9ヵ月で6月中旬から産休に入られるそうですが、職場の理解度はどういった感じですか? 【ちま】勤務先の病院には、国家試験合格のタイミングで妊娠や産休についてお話ししました。産休期間や復帰時期についても体調に問題なければと、こちらの意向を承諾してくださり、とても楽しく勤務させていただいています。 ――ご家族にもサポートをしてもらっていますか? 【ちま】出身は関西で現在は関東勤務ですが、里帰り出産を予定しているので、産前産後は実家で過ごす予定です。再受験で医学部に入学したので適齢期であることや、私が「やりたいと思ったらやる、頑固で突発的なやつだ」ということは母も理解していたので、「またかいな~。私に迷惑かけへん限り好きにし~や」というスタンスで楽しみにしてくれています。 ――では、パートナーさんは? 【ちま】夫は私の「突発的・ガサツ・欲深い性格」を理解し、尊重してくれています。彼は私と正反対で、かなり穏やかで真面目な性格なので、私に足りないところを補ってくれています。お互い前向きな性格なので、不安よりも「どうしたらお互いが快適に乗り越えられるか」を話し合い、彼が育休を取って私は研修に最短で戻るという結論になりました。私だけの力ではどうしようもなかったことですが、職場・家族・パートナーなど周りの方々に恵まれたことに本当に感謝しています。