45歳の専業主婦ですが、パートで「月12万円」を稼ぎ厚生年金に加入します。将来の年金はどれだけ増えますか? 65歳まで働く予定です
老後生活の不安を解消するために将来受け取れる年金は少しでも増やしたいと考える人は多いのではないでしょうか。年金を増やす手段の1つとして厚生年金保険に加入し、老齢厚生年金の受給額を増やす方法があります。 本記事では、現在45歳の専業主婦(夫)が月12万円稼ぐパートを始め、65歳まで働き続ける場合に、年金はいくら増えるのか解説します。
公的年金の受給額を増やすには?
日本の公的年金制度は主に国民年金と厚生年金保険の「2階建て構造」となっており、例えば会社員や公務員は厚生年金保険の適用事業所で働き、被保険者の要件を満たせば両方の年金制度に加入します。1日8時間程度のフルタイムで働く場合だけでなく、パートやアルバイト等の雇用体系であっても以下の条件を全て満たせば厚生年金保険の加入対象です。 ●週の所定労働時間が20時間以上ある ●賃金の月額が8万8000円以上である ●学生でない 厚生年金保険の適用事業所で働いて上記の条件も満たす場合は、70歳未満であれば国籍や性別など関係なく被保険者となります。つまり60歳以上であっても原則70歳になるまでは厚生年金保険への加入が可能です。 一般的に「老後にもらえる年金」は老齢基礎年金と老齢厚生年金のことをいいますが、加入状況によって将来の年金額が増えるのは後者です。老齢基礎年金は国民年金保険料を満額納付している場合は一律で月額6万6250円(2023年度)受け取れます。保険料の未納や免除、納付猶予などの場合は減額されますが、現役時代の収入や資産規模によって年金額が変わるわけではありません。 一方で、老齢厚生年金は厚生年金保険の加入期間や保険料の納付額によって受給額が変わるのが大きな特徴です。そのため将来もらえる年金を増やすには、厚生年金保険にできる限り長く加入し、保険料の金額も上げることがポイントとなります。
月12万円のパートを20年続けた場合はいくら増えるか
学生ではない専業主婦(夫)が月12万円のパートの仕事を始める場合、仮に「1日8時間勤務で日給1万円」だとすると週24時間働く計算になります。週の所定労働時間や月額賃金も先ほど紹介したパートやアルバイトなどの要件を満たすため、厚生年金保険への加入が可能です。 老齢厚生年金は主に年金額の計算の基礎となる報酬比例部分をもとに算出され、該当する場合は経過的加算、加給年金額も合計した金額が受給額となります。今回は話を分かりやすくするために経過的加算や加給年金額はなく、年金の繰下げや繰上げ受給も行わないものとします。 報酬比例部分は年金額の基礎となるものです。2003年3月以前と4月以降の加入期間で計算方法が異なり、現在は「平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の加入期間の月数」によって求められます。 平均標準報酬額が12万円で20年間(240月)加入する場合、報酬比例部分の計算式に当てはめると約15万7800円となり、月額ベースでは約1万3000円、将来もらえる年金が増える計算となります。