【高校ラグビー】「執念」のスクラム…常翔学園ラストプレー2度インゴール侵入されるも耐えて4強
<全国高校ラグビー大会:常翔学園24-19大分東明>◇準々決勝◇3日◇大阪・花園ラグビー場 【一覧】高校ラグビー8強以降の勝ち上がり表 常翔学園(大阪第3)が大分東明(大分)との接戦を24-19で制して、5大会ぶりに4強入りした。開始2分のトライで先制するも、大分東明に3トライを許す苦しい展開。それでも2トライを返した後の後半9分にWTB下川悠輝(3年)がトライを決めて逆転。最後は度重なるピンチを粘りのディフェンスで耐えしのぎ、東海大大阪仰星(大阪第2)とぶつかる5日の準決勝に駒を進めた。 ◇ ◇ ◇ 何度も体を投げだして、相手のトライを阻止した。5点リードの終了間際。大分東明に攻め込まれて、インゴールに2度も侵入された。しかしグランディングをさせない。耐えて、耐えて、逃げ切った。終了の笛と同時に、選手たちは感情を爆発させた。 鍛え上げてきたスクラムの力で、ベスト4をつかんだ。大分東明との激しいシーソーゲーム。主将のNO8井本は「スクラムはずっと意識してやっているし、自分たちの1番の強みだと思っている。ピンチの時にああやってスクラムでペナルティーをもらえた」。 5点差で終盤を迎える緊迫の展開。それを救ったのが、スクラムだった。要所で相手の反則を誘発して、リズムを最後まで渡さなかった。チームの立ち上げ時から、練習では必ず30分以上スクラムを組み、強化期には1時間以上をかけた。OBコーチの力も借りてレベルアップ。変化を実感していた白木監督は、終了間際に押し込まれた場面でも選手を信じて疑わなかった。「守ってくれると思っていた。最後まで執念で。それが今年の強さ」。期待通りの粘りだった。 前回は花園に届かず2大会ぶりの出場となったが、確かな武器を携えて戻ってきた。井本は「最後のあそこで我慢できたことは、今日の試合で大きく成長できた部分」と磨いてきたスクラムへの自信を深めた。頂点まであと2つ。5度花園制覇の実績を持つ名門が、12大会ぶりVに向けて、勢いを得た。【永田淳】