小学校の年間学校行事(イベント)一覧! 「5つの内容」と傾向、コロナ後の変化も
【学校行事の5つの内容】 学習指導要領では、学校行事を5つの内容に分類しています(※1)。 (1) 儀式的行事(入学式・始業式・終業式・卒業式など) 学校生活に変化や折り目をつけ、厳粛で清新な気分を味わい、新しい生活をするきっかけになる行事 (2) 文化的行事(学習発表会・音楽会など) 普段の学習成果を発表して自己向上の意欲を高めたり、文化や芸術に親しんだりする行事 (3) 健康安全・体育的行事(身体測定・運動会・避難訓練など) 心身の健全な発達や健康の保持増進、事件・事故・災害から身を守るための行動、ルールに基づいた集団行動の体得、運動に親しむ態度の育成、責任感や連帯感を養う、体力を向上させるなどの目的のために行う行事 (4) 遠足・集団宿泊的行事(校外学習・遠足・修学旅行など) 自然の中での集団宿泊など、普段と異なる生活環境で学び、自然や文化に親しみ、集団生活の仕方や公衆道徳などについて体験する行事 (5) 勤労生産・奉仕的行事(学校行事の準備・大掃除など) 勤労の尊さや生産の喜びを体得し、ボランティア活動などの社会奉仕の精神を養う体験をする行事 お子さまと一緒に学校の行事一覧を見ながら、どんなことを目的としている行事か話し合ってみると、前向きな気持ちになりにくい行事も面白く感じられるようになるかもしれませんね。
アフターコロナや働き方改革による学校行事の変化も
学校行事は、保護者の時代から変わらないものもあれば、時代の変化を背景に形を変えているものもあります。特に、コロナ禍は学校行事の在り方に大きな影響を与えました。 2020年から2021年は、新型コロナウイルスの感染防止の観点から、多くの学校行事が中止や延期に。その後、行事は復活しているものの、時間の短縮やプログラムの見直しなど、コロナ禍以前とまったく同じとはいかなくなっていることも少なくありません。 他にも、働き方改革やデジタルツールの活用など、さまざまなことを背景に次のような変化が見られます。 【運動会・体育祭のコンパクト化】 小学校の運動会は、午前中で終わるケースが多くなっています。中学校では、1日かけて開催されるケースも少なくありませんが、コンパクト化は進んでいます。また、自分の学年のプログラムや自分が出場する種目の時だけ校庭に出て、それ以外は教室に待機というケースなども見られます。入場行進も簡素化が進んでいます。 コンパクト化の理由は、感染対策に加え、熱中症対策が挙げられます。運動会は5、6月に開催されるケース、9、10月に開催されるケースが多いですが、いずれも暑いことが多いもの。体への負担を考慮してのことです。 保護者の観覧に関しても、出場学年ごとの入れ替えを行うケースや、事前の場所取りを認めないケースも。午前中で終わることが多いので、家族でお昼をとるという光景も少なくなっています。また、お昼を挟む場合であっても、子どもは教室で親と別々に昼食をとるということが多くなっています。 また、学校の枠を超えた地域の合同運動会なども少なくなってきています。 【学芸会の減少】 学芸会をやらない学校も増えてきています。肌感としては、半数ほどの学校で開催していません。学芸会を単独で開催するのではなく「学習発表会」といった名称で音楽会や展覧会などとまとめるケースも多くなってきています。 この背景には、教員の働き方改革の影響や授業時間の無理のない確保といった狙いがあります。行事は授業時数に入らないため、行事が多くなればなるほど、代わりの授業時間を確保していかなければならなくなります。教員にも生徒にも負担がかかる可能性があるため、行事を簡略化することが増えています。