単身上京も仕事ナシ、バイト生活で諦めかけた役者の夢 転機となった憧れの仮面ライダー役
共演した中村獅童から刺激
砂川はその後、映像から舞台・ミュージカルへと活躍の場を移し、『ROOKIES』や『弱虫ペダル』などに出演。アニメや漫画を題材にしたステージで存在感を放つ“2.5次元俳優”として注目を集めるようになる。 「仮面ライダーのお仕事を1年以上やらせていただいたあとは、主に舞台をやらせていただいてきました。(自分の俳優業は)映像から始まりましたけど、いつの間にか舞台の畑にいて面白いなと思いました。僕自身、『2.5次元俳優』の基準はよく分かっていなくて、難しいです(笑)。でも、王道とは違う2.5次元の良さがあって、すてきだなと思うことはたくさんあります」 今回、アシックスジャパンのショートドラマ『ワンチーム、ワンホーム』で、久々の映像作品に出演。中村獅童、兒玉遥とともに、建設業を舞台に「人と人との繋がりが良い仕事(≒家づくり)に繋がる。」模様を表現した。「映像作品に出させていただいて、懐かしい気持ちがしました」と砂川は笑顔をのぞかせる。 「映像現場の独特な雰囲気は気持ち良くて、『この感覚、久々だな』と思いました。舞台は目の前で役者が演じる“生”の感じ、エネルギー・熱量を感じられるのが魅力。それに対して、獅童さんとか他の演者さんのお芝居を見ていて感じたのは、声量のリアリティーは映像ならではだなと。今回で言うと、仕事に真摯(しんし)に向き合っている職人さんの人間性が詰まっています。現場監督役の僕も見てもらえたらうれしいですし、役者の僕しか知らない方にとっては作業服姿が新鮮かもしれません」 共演した22歳年上の中村獅童からは、俳優としてだけでなく、1人の人間としても大きな刺激を受けたという。 「獅童さんとはお仕事を一緒にするのも、ちゃんとお話させていただくのも今回が初めてでした。演技をしているときはもちろん、カメラが回っていないところでも、ずっと獅童さんなんだなと思いました。僕が緊張しながら待っていたら、(舞台の)『刀剣乱舞』に出ていたのを知ってくださっていて、歌舞伎にも『刀剣乱舞』がある関係で共通の役者さんの話をしたり、緊張をほぐそうと和ませてくださいました。僕のお芝居を見て『いいね』と声をかけてくださったり、現場の雰囲気を大事にして周囲をすごく見ている。素でかっこいいというか、男としてめちゃくちゃかっこいい、尊敬できるなと思いました」