なぜ横浜DeNAは巨人にまだ1勝もできないのか…9回まさかの”脇役”に連続被弾で8年ぶりの屈辱
三浦監督も「大貫はその後踏ん張ってくれた。嶺井も(リードで)引っ張ってくれて腕の振りもよくなってきた。自分なりに修正して投げていた」と評価した。3回には梶谷、ウィーラー、丸に対して圧巻の3者連続三振もあった。6回2失点は、及第点かもしれないが、”タイムリー欠乏症”に苦しむ打線の状況を考えると、先発投手にさらに上を求めなければならないというチーム事情がある。 「食らいついてはいったんですが、もう1点が遠かった」 三浦監督が悔しさを噛み締めたのは打線である。 ここでも「奪える得点」を形にできなかった。 1回裏に、すぐさま好調のタイラー・オースティン(29)の6号ソロで同点に追いつくと、2回にも先頭のネフタリ・ソト(32)が左中間二塁打で出塁、宮崎敏郎(32)の進塁打で一死三塁の勝ち越し機を作った。巨人は前進守備。続く嶺井博希(29)の一打は、戸郷翔征(21)が差し出すグラブをかすめるようにセンター方向へゴロで抜けていこうとした。だが、若林が手を伸ばして好捕。そのままホームへ送球して三塁走者のソトはタッチアウトになった。ソトのスタートは遅れていた。三塁走者の位置からは一瞬、ピッチャーゴロに見えたのかもしれない。次打者は大貫。ライナーによる併殺を恐れることなく、ソトにインパクトと同時にスタートを切らせる「ギャンブルスタート」を仕掛けてもよかった場面でなかったか。ベンチが動かねば、連敗の流れを変えることもできないだろう。 亡くなった”名将”野村克也氏が日本シリーズでの広沢克己氏の走塁ミスをきっかけに発案した戦術の「ギャンブルスタート」は、ソトのような足のない三塁走者にこそ効果を発揮する。 結果論ではあるが、もしソトのスタートが良ければ若林がいくら好守しようが本塁はセーフだった。 「もうひと押しができない。中盤でもそう。もう1点というところで同点止まりだった」 三浦監督が振り返ったのは5回である。オースティンのタイムリーで同点とし、さらに一死一、二塁とチャンスが続いたが、ルーキーの牧秀悟(23)が三振、ソトが三塁ゴロに倒れた。牧は、2試合ヒットがなく、ここ4試合で16打数2安打と打率が急降下。どの球種、コースに対しても、崩れずぶれないスイングができるのが持ち味だが、疲れと、結果を欲しがる不調の打者心理が重なり、ボールに合わせにいくようなスイングが目立つ。もう少し楽に打てる打順への変更を考えた方がいいのかもしれない。