驚異の注文率100%! 月間2500個売る卵の唐揚げ
嫌いな人がいない、調理法が多彩、栄養価も高いなど、超優等生食材の「卵」。これを主役に他にない料理を提案し、月間2500個超の大ヒット商品となったのが、神奈川・藤沢の居酒屋「殻YABURI」藤沢店の看板商品「からたま」だ。 【写真で見る】注文率100%の「からたま」
「卵専門」で個性化に成功 カリ・トロ食感でヤミツキに
目の前に提供された瞬間に感じるのは「なんかデカい!」という驚きだ。調理前の卵はMサイズだが、標準的なゆで卵よりも二回りほども大きい。薄い衣のカリッとした食感の後、トロッと白身と黄身が流れ出てくる。このカリ・トロ食感が人気で、2個、3個と注文する客も少なくない。 「他にはない居酒屋を作ろうと考える中で、万人が好きな卵を主役にした業態がないことに注目しました。家庭では作れない卵料理を提案すれば、幅広い客層に支持されるだろうと考えたのです」と、開発を担当した増田克也料理長は説明。真っ先に思いついたのが、居酒屋料理の定番である「鶏の唐揚げ」を卵に置き換えた同品だったそうだ。 調理工程は仕込みの段階で半熟卵を作っておき、注文が入ったら唐揚げ粉をまぶし、水で溶いた衣にくぐらせて180℃の油で3分ほど揚げて完成。一見シンプルな唐揚げに思えるが、試行錯誤の連続だったという。まず衣は唐揚げ粉をまぶしただけだと卵からはがれてしまう。かといって衣が厚すぎると天ぷらになってしまうため、唐揚げらしい薄衣に仕上げるのに苦労したそうだ。またカリ・トロ食感を実現するゆで時間、揚げ時間のバランスにも苦心した。 卵は各地のものを試した結果、岡山県産の「和たまご」を採用。鮮やかなオレンジ色の黄身色とクセのない味が決め手だ。 シンプルに味わうプレーンに加え、タルタルソースやチリコンソメなど5種類のソースを用意。1個単位で注文でき、いろいろな味付けを楽しみやすいこともポイントだ。 卵居酒屋をうたうだけに、からたま以外にも独創性ある卵料理が並ぶ。韓国茶碗蒸しのケランチムをヒントにした「爆たま」や、ゆで卵に豚ばら肉を巻き付けて焼き上げた「炭火焼き!肉たま(ごろっと肉巻き玉子)」など、新しい卵の魅力を発見できる。「からたまを超える新商品を作るべく、いつもアイデアを練っています」と、増田料理長はさらなる創作意欲を見せる。 【店データ】「殻YABURI藤沢店」 所在地=神奈川県藤沢市鵠沼橋1-17-15 関野ビル4階/開業=2021年8月/坪数・席数=20坪・60席/営業時間=16時~22時30分(金・土曜、祝前日24時)。不定休/平均客単価=3500~4000円
日本食糧新聞社