ロシアが核使用の敷居大幅に引き下げ、プーチン氏に幅広い決定権 ウクライナ戦況に合わせた異例の見直し、世論は支持、核威嚇依存体質強まる
― * ― * ― 核ドクトリンを巡る動き 2020年6月にプーチン氏が署名した現行のロシア核ドクトリンでは、核使用条件として ①ロシアや同盟国を攻撃する弾道ミサイル発射の確度の高い情報入手 ②敵による核兵器や大量破壊兵器の使用 ③ロシアの重要な国家・軍事施設への攻撃で核戦力による報復能力が損なわれる ④通常兵器による侵略で国家存続が危機に陥る― 場合を列挙。限定的な条件下での核の先制使用を認めていた。 核ドクトリン見直しを巡っては、プーチン氏は今年6月の国際会議で初めてその可能性を示唆。その後、実務担当のリャプコフ外務次官が見直しの可能性に触れ、ペスコフ大統領報道官は改定のプロセスを始めたと公式に認めていた。