自然環境保育認証が幼・保の質向上に寄与する訳 森や山、川、海などでの活動通じて創造性育てる
千葉県の待機児童数6年間で10分の1以下に
2023年4月1日時点における全国の待機児童数は2680人で、調査開始以来5年連続で最少となっている。もちろん少子化の影響もあるが、保育の受け皿が増え、ピークだった2万6081人から6年間で急速に減少し、約10分の1になった。そんな中、同様の状況にある千葉県では、自然環境での活動を通じて子どもの主体性や創造性を育てる「自然環境保育認証制度」をスタートさせた。その狙いは、質向上だけでなく、新たな展開をみすえているという。 【写真】2023年度から「千葉県自然環境保育認証制度」をスタートさせた千葉県 森や山、川、海といった自然環境での活動を通じて子どもの主体性や創造性を育てていく保育・教育が、「自然環境保育」である。千葉県は、これを推進する施設・団体を支援する「千葉県自然環境保育認証制度」(以下、制度)を2023年度からスタートさせている。 なぜ、いま自然環境保育なのか。その質問に、千葉県健康福祉部子育て支援課・副課長の増田誠也氏は次のように答えた。 「待機児童問題が解消に向かう中で、『質』が次のテーマになってきていることが理由です」 千葉県の待機児童数は、2017年度の1787人をピークに減りつづけ、2023年度には140人となっている。6年間で10分の1以下にまで急減したことになる。 「少子化の影響もありますが、県としても受け入れる施設の整備をすすめてきたからです。2023年度だけでも、前年に比べて2000人以上も利用できる定員数を増やしています。さらに施設整備は進めているところです」 社会問題までになっていた待機児童の問題は、ひとまず落ち着いた状況になっている。そして、「質」を考える段階に入ってきたというわけだ。増田氏が続ける。 「もちろん、これまで無視してきたわけではなくて、安全面をはじめとする質の向上にも研修などを通じで取り組んできました。そして、さらに新たな展開を考えていこうということになりました。その中で、自然環境保育にも取り組んでいこうとなったわけです」