家電や自動車に補助金 中国の“買い替え政策”その効果は【WBS】
さらに、政策効果が乏しい現場もあります。訪れたのは北京の隣、天津市にある建材市場です。住宅用の木材や内装用の石材など数百の専門店が軒を連ねています。このような住宅をリフォームするための資材も買い替え政策の対象となっています。 ここにも買い替えセールの告知がありますが、客の姿はありません。市場全体が閑散としています。 「何の効果もない。客は誰も来ない。建材業界はもう終わりだ」(建材市場の店員) 「共産党の政策方針に従ってきたが、われわれの業界の景気は全く改善しない。みんな金が なくて不動産が売れないからだ」(別の建材市場の店員) 長引く不動産市況の低迷で、不動産関連の買い替え需要そのものが存在しないと嘆きます。それを表すように内装・建材類の売り上げは、政策導入後の4月以降も一貫してマイナスが続いています。 「所得が頭打ちになっているので、今、安心して住宅を買えない。財政支出などで、安心して貯蓄を出して消費する環境を作らなければならない」(丸紅中国・鈴木貴元経済研究チーム長) ※ワールドビジネスサテライト