欠けていく月と星たちの共演、彗星とオーロラに期待がふくらむ今週の夜空
彗星が肉眼で見えるかもしれない
■9月27日(金)~28日(土):彗星が肉眼で見えるかも 「紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)」が27日、太陽に最も接近する「近日点」に到達する。これは、彗星が最も明るくなる瞬間だ。日の出の約1時間前に、東の低空に出現するとみられる。 ただし、彗星の予測は難しいことで有名だ。肉眼で見えるようになると予想されているが、かなり明るくなる可能性もあれば、近日点通過の際に消滅してしまう可能性もある。無事に太陽の近くを通過できれば、1等星と同じくらいの明るさになるとみられている。 ■9月29日(日):月とレグルス、彗星の共演 しし座で最も明るい星であるレグルスは、月とランデブーすることの多い4つの明るい星のひとつ。夜明け前に東の空を見上げると、ほっそりと美しい二十六夜月とレグルスが上下に並び、さらに下方の地平線近くに紫金山・アトラス彗星が見えるだろう。 ■今週の天体:オーロラ 今年5月10日に地球を襲った巨大な太陽嵐が、再び発生する確率はどのくらいあるのだろうか。太陽は早ければ2024年末にも「極大期」を迎えると予想されており、地球上のいたるところでオーロラが観測できる可能性は十分にある。 8月から9月になると夜が長くなり、オーロラを見るチャンスは最大になる。また、北半球では「北極光」、南半球では「南極光」と呼ばれるオーロラは、春分・秋分のころに出現率が高くなる。これは、地球の磁場と太陽風の磁場の向きの条件がオーロラの発生に最適となるためだ。そのため、秋分の日(今年は9月22日)前後の数週間は、北極圏を旅行したり、車で行かれる近場の観測スポットを探しておいたりするといいだろう。希少な世界規模でのオーロラがまた見られるかもしれない。
Jamie Carter