フェチれるベントレーの「ローテーションディスプレイ!」 まるでスパイ映画の特装車のような機能とは【クルマdeフェティシズム】
微より大なるは無し! 偏愛視線でフェチれるアノ車のココ
よく「神は細部に宿る」とか「神ってる」とはいうけれど、やおよろずの神をあちこちに見出して情緒的に神格化していると「木を見て森を見ない」シンドロームに陥りやすいもの。むしろクルマの場合、入念に仕上げられたディテールは、豪華一点主義や魂を込めんがためにトップアップされたのではなく、全体の成り立ちや存在理由そのものを語ってしまう、そんな雄弁さを秘めているものです。今回は偏愛視線でフェチれるあのクルマのココに焦点を当てるべく、ベントレーのローテーションディスプレイについて語ります。 【画像】まるでスパイ映画の特装車! ベントレーのローテーションディスプレイを見る(8枚)
ベントレーが究極のドライバーズカーである理由は「オフモード」にあり
ベントレーの「コンチネンタルGT」と「フライングスパー」に備わる、あのローテーションディスプレイは見事なものだ。3面それぞれが、縦回転でパタパタと機能を切り替える様子は、まるでスパイ映画の主人公の特装車を思い出させるが、そこにキャッキャとした歓びを見出すのはもっともプリミティブな、男のメルヘンレベルとしておこう。真に凄いのは、インフォテイメントのタッチディスプレイ一式と、アナログ表示の温度/方角/ストップウォッチの3連メーターを消し去り、ダッシュボードと同じ素材・同じ意匠で覆ってしまう、あのオフモードの面だ。 今後、レベル3から先の自動運転化が進んでいくとされ、車内空間のエンタメ化や乗員に与えるエクスペリエンスにあらゆるメーカーが及々としている中で、ベントレーほどの高級車がダッシュボードの1等地にあえて何も示さない、その特異性には注意を傾ける必要がある。確かにいまだレベル2とはいえ、現実には新東名あたりでそこそこ小賢いADAS付きのクルマで走行中のドライバーなら、ほぼ例外なくACCオンのまま動画を視聴しているような末世だ。 ベントレーのインフォテイメント無し、かつデジタル・デトックス提供中モードは、アナログ重視どころかアナクロニズムでさえある。メルセデス・ベンツの「Sクラス」、「Eクラス」のようにダッシュボードのほぼ全面をタッチディスプレイとし、ゼロレイヤー化とマルチ&高機能化させる方向とは対極だが、いずれもGAFA的プラットフォーマーからドライバーのプライバシーを切り離して守るという考え方の上で、重なるところがないわけでもない。
【関連記事】
- 【画像】まるでスパイ映画の特装車! ベントレーのローテーションディスプレイを見る(8枚)
- ◎フェチれるアウディ「RS 6 アバント パフォーマンス」の22インチホイール! リアル「運び屋」がチョイスする本物っぷりとは【クルマdeフェティシズム】
- ◎ベントレー新型「コンチネンタルGT」のティザー画像を公開! 史上もっともパワフルなハイブリッドモデルは丸目四灯?それとも…
- ◎ベントレーの「V8」がハイブリッドで新設計! W12を上回る750馬力以上の「ウルトラ パフォーマンス ハイブリッド」に期待大
- ◎次世代ベントレーは丸目4灯ではない!? 16台限定の「バトゥール コンバーチブル」で未来のデザインを予想。W12搭載というだけで価値あり