フェチれるベントレーの「ローテーションディスプレイ!」 まるでスパイ映画の特装車のような機能とは【クルマdeフェティシズム】
端正にしてむっつり気味な英国的エロティシズムの権化
いわばベントレーのケースは、ドライバーズカーとしてステアリングを握る者に「さあ私に溺れなさい」と語りかけているのと同義ですらある。調度品が揃ったサロンのような車内で、ベントレーならではの超絶パワートレインやスポーティなシャシーと対話を楽しむ以上に、体感に値するエンターテイメントが果たしてあるのか? そんな自信満々の問いかけですらある。これは運転を楽しまない朴念仁には何も語りかけてこないメッセージだが、そうでない粋人にはもう、プレイとして強気にして濃密かつエロ過ぎる。 確かに昭和から平成の変わり目、まだナビゲ―ションが普及し出したばかりの頃、ナビ画面や音声案内にあれこれ指図されながら走るのはドライバーとして不愉快、という感覚がまだあった。令和のつい最近、とある国産車の試乗会で、ホームボタンもタイル画面もないインフォテイメントの使い勝手がひどく落ち着かなくて、開発主査にデフォルト画面って何ですか? と尋ねたら「ナビ画面じゃないですか」との回答で、ひどく面食らったことがある。ベントレーと比較しては気の毒だが、経験の質よりも機能性とコスパに最適化され過ぎて、乗り手に「究極の自由」を提供するのが高級車、という考え方が皆無なのだろう。彼我でドライバーズカーの差は仕上げや性能スペック以上に、形而上学的レベルで開きがあるのだ。
南陽一浩(NANYO Kazuhiro)
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