真矢ミキ「親子の関係は親の老いと共にひっくり返るところがある」ひとりの娘として思うこと
映画『九十歳。何がめでたい』が6月21日(金)より公開されます。 90歳になってもパワフルに自分らしく生きる作家・佐藤愛子さん。ユーモアと毒っけたっぷりの毎日はなんとも楽しそうで、どんなふうに年齢を重ねていくか、ロールモデルを探す人々のヒントとなる映画です。 【つづき】真矢ミキ、母を見送って6年の今の心境「悲しみはなくならないけど、形は変わっていく」 同時に、ミモレ世代が観ると、愛子さんの姿に自分自身の母親を重ねるところもあるかもしれません。女性にとって、母は特別で独特な存在。ミドルエイジともなると、老いや介護など直面する問題もセンシティブになって、頭を抱える内容もどんどん変質していきます。 私たちは、高齢の親とどう向き合っていくべきか。佐藤愛子さんの娘・響子役を演じた真矢ミキさんと一緒に考えてみました。 真矢ミキ Miki Maya 1964年、大阪府出身。1981年、宝塚歌劇団入団。1995年からは花組トップスターとして活躍しながら、宝塚史上初の男役の写真集や武道館コンサートを成功させ、“宝塚の革命児”と話題に。1998年退団、1999年俳優デビュー。主な出演作に、映画『踊る大捜査線 THE MOVIE』シリーズ、ドラマ「下町ロケット」シリーズ、「さくらの親子丼」シリーズなど。近年の出演作に、大河ドラマ「どうする家康」、Netflix『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』、ハリウッド共同制作WOWWOW「TOKYO VICE SEASON2」など。2024年、16年ぶりのエッセイ「いつも心にケセラセラ」を発表。現在放送中のドラマ「ブルーモーメント」(フジテレビ系)にも出演中。
私の母も、佐藤愛子さんに結構似てるんです(笑)
――映画の中で草笛光子さんが演じた佐藤愛子さん。真矢さんは近くでご覧になって、どんな印象を抱かれましたか。 もう佐藤愛子さんにしか見えなかったですよね。草笛さんも佐藤愛子さんもとってもお美しい方。でも、当然お顔はそれぞれ違います。なのに、草笛さんが演じている佐藤愛子さんが本物の佐藤愛子さんにしか見えなくて。クライマックスの授賞式のシーンがあるんですけど、あそこで台本にない台詞を草笛さんがバーッと語りはじめたんですね。それを見て、一体どこまでが演技なのかボーダーラインがわからなくなったというか。ご本人になってしまったんじゃないかと思うくらい、佐藤愛子さんそのものでした。