晴れの舞台の裏側に驚く! オリンピックを題材にした映画5選!
前代未聞の事件を映画化!『フォックスキャッチャー』
アメリカの雑誌“New York”のエンタテインメント・サイトによる、オリンピックをテーマにした映画ランキングで、堂々の1位となったのが本作。オリンピックといえば世界が注目す「る華やかな舞台だが、出場する選手たちがすべて恵まれた環境で練習を積んでいるわけではない。そんな事実をポイントにした衝撃の実話の映画化。1984年のロサンゼルスオリンピックのレスリングで金メダルを獲得したマークが、次のソウル大会を目指すため、アメリカを代表する財閥、デュポン家の御曹司ジョンが作ったレスリング・チームに加入することになる。 オリンピックの金メダリストと、その“パトロン”の関係が、やがて殺人に発展するという前代未聞の事件。レスリングの大ファンだったジョン・デュポンが、金に物を言わせて最先端のトレーニング設備を作るも、練習にまで口を出し、コーチとして呼ばれたマークの兄で、やはり金メダリストのデイヴと対立するプロセスがスリリング。ジョン役のスティーヴ・カレル、デイヴ役のマーク・ラファロは本作でアカデミー賞にノミネートされ、筋肉隆々のボディでマーク役に挑み、レスリングの動きも完璧にこなすチャニング・テイタムも含め、俳優たちの熱演にも圧倒されまくる。
1924年のパリ大会を描く!『炎のランナー』
2024年の夏を盛り上げるパリオリンピック。パリでの夏季オリンピックは、じつに100年ぶり……ということで前回、1924年の大会が描かれるが、この『炎のランナー』だ。アカデミー賞では作品賞など4部門に輝いた名作で、オリンピックを描いた作品の中でも特に人気が高い。イギリスのケンブリッジ大学で、陸上の才能を伸ばすユダヤ人のハロルド。そしてスコットランド人の牧師の息子で、“神のために走る”と心に誓うエリック。ライバルとして切磋琢磨しながら、パリオリンピックでハロルドは100mと200m、エリックは400mの代表に選ばれ、人生を懸けてトラックに立つ。スポーツ映画としての感動に、当時のイギリスの伝統を絡め、重厚な見ごたえを持った一作。 本作を象徴するのが、オープニングの海岸シーン。裸足で走る学生たちに、あの有名なヴァンゲリスの音楽が重なり、崇高でダイナミックな映像が完成された。映画史に残ると言ってもいいこのシーンは、その後、多くの作品で引用され、2012年のロンドン・オリンピックの開会式ではMr.ビーンも参加して再現された。同シーンで学生たちが着ているのが、王室御用達のブランド、ジョンスメドレーのシャツだったりと、全編にわたって英国ファッションも見どころ。ハードルの上に置いたシャンパングラスを倒さない練習など、100年前の陸上競技、およびオリンピックの舞台裏は改めて必見だ。