HPE、VMware代替ソフトやソブリンクラウドソリューションなどを発表
米Hewlett Packard Enterprise(HPE)は11月20~21日、スペインのバルセロナで年次イベントの欧州版「HPE Discover Barcelona 2024」を開催した。20日の基調講演では、最高経営責任者(CEO)のAntonio Neri氏がステージに立ち、欧州で高いニーズのあるソブリンクラウドソリューションや、VMwareの代替を目指す「HPE VM Essentials」の強化などを発表した。 3つのフォーカス、AI・ハイブリッドクラウド・ネットワーキング 今回は、同社が欧州で開催するイベントとして過去最大となった。会場には、前回(2023年)の約2倍となる4300人の顧客やパートナーが集まった。 開催地のバルセロナは、サッカーチームのFC Barcelonaの本拠でもある。HPEとFC Barcelonaは、2024年初頭に新しいスタジアムのテクノロジーで提携を発表している。アルゼンチン出身で大のサッカーファンであり自身もプレーをするというNeri氏は、創設125周年を迎えるFC BarcelonaとHPEの類似点として、歴史とその分野でのルーツ、専門知識を挙げた。 テクノロジー分野でエンジニアのルーツを誇るHPEが現在フォーカスするのはAIだ。そして、そのAIは急速に押し寄せている。Neri氏は、「電話のユーザーが5000万人に達するまで75年、携帯電話は12年で達成した。生成AIは(「ChatGPT」公開から)1カ月以内で同じ数に到達した」と述べ、「これまでに経験したことがない、深いレベルでのトランスフォーメーションでありパラダイムシフトになる」とした。 「早期に受け入れた企業がスタンダードを作る」とNeri氏は言う。HPEは、そのペースに付いていく組織を支援するという。 同時にHPEは、AIの研究に当たって2018年に、「Hewlett-Packard Lab」がAIプリンシプルとして「プライバシー優先」「人間へのフォーカス」「インクルーシブ」「責任」「品質」――の5つを重視することを掲げていることも強調した。 CEO就任から約7年となるNeri氏は、この間にHPEを「土台から再構築した」という。そして、「古くからの顧客は、われわれがトランスフォームするのを見届けたことだと思う」と会場に語りかけた。 当時に同氏が掲げたのは、エッジ、クラウド、データドリブンの3つ。その世界が現実のものとなり、AIのモメンタムに向けて基本的な準備は整ったとする。新しいHPEを支える3つの技術は、ネットワーキング、ハイブリッドクラウド、AIだとした。