HPE、VMware代替ソフトやソブリンクラウドソリューションなどを発表
VMware顧客の救済策とする「HPE VM Essentials」 今回のイベントでHPEは、最新の進展として以下の4つを発表した。 HPE VM Essentials Software HPE Private Cloudとブロックストレージでの「disconnected」オプション HPE Alletra Storage MP X10000 HPE Private Cloud AIでのDeloitteとの提携 「HPE VM Essentials Software」は、KVMベースの仮想化ソリューションで、「VMware vSphere」の代替となり得るソフトウェアだ。同社が2024年6月に米国ラスベガスで開催した「HPE Discover」で発表し、その後にベータプログラムを展開して改善を重ねた。その結果、当時は「HPE Private Cloud」との統合の形態をとっていたが、スタンダロンのソフトウェア製品としても提供する。 HPE VM Essentialsは、HPEが2024年8月に買収したMorpheusが重要な技術となっている。Morpheusは、ハイブリッドクラウドプラットフォームの運用管理技術で、これを利用することにより、既存のVMwareワークロードとHPE VM EssentialsのKVMベースのハイパーバイザーの両方に対して、統一された仮想マシンの管理を実現する。 Neri氏は、特定のベンダー名称を出さずにこう述べた。 「顧客と話をすると、仮想化を取り巻く環境が変化し、契約とライセンスの変更により、多くの顧客でコストが3~5倍になっている」 「選択肢がほしい」という顧客の声に応えるのが、HPE VM Essentialsだという。 HPE VM Essentialsの特徴は、直感的な体験、そして価格が(CPUコア単位ではなく)ソケット単位とする点だという。同社はエコシステムの強化も始めており、まずはCohesityとCommvaultが仮想マシンのバックアップ機能を提供する予定だという。 HPE VM Essentials Softwareは、スタンダロン版製品が最初に提供され、その後にHPE Private Cloudに統合した形でも利用できるようになる。 HPE Private Cloudとブロックストレージでの「disconnected」オプションは、データの主権(ソブリン性)のニーズに応えるものだ。 「欧州は、特に政府のセキュリティへの懸念が強く、『HPE GreenLake』のクラウドネイティブな体験をインターネットやクラウドから切り離された環境で得たいという声をいただく」とNeri氏。データ主権が規制だけでなく、政府、ヘルスケア、防衛など一部の組織にとってビジネス上の不可欠な要件になっていると続ける。 このdisconnectedオプションは、プライベートクラウドサービスの「HPE Private Cloud Enterprise」とストレージの「HPE Alletra Storage MP」で提供する。国や地域の同社パートナーが、HPE GreenLakeとdisconnectedオプションを活用して、ソブリンクラウドを提供できるよう、「HPE Partner Ready Vantage認定プログラム」も用意する。 HPE Alletra Storage MP X10000は、オールフラッシュストレージの最新機種として、マルチプロトコル(MP)への対応、ブロックおよびファイルをサポートするコントロールプレーンを備える。非構造化データ向けであり、単一のアーキテクチャーブロック、ファイル、そしてオブジェクトの各データに対応する。 「競合に比べて6倍の性能を持ち、オーバープロビジョニングをゼロにすることで、総所有コスト(TCO)を40%削減する。データ削減率は最大で20対1だ」とNeri氏。「分離型シェアード エブリシングのアーキテクチャーにより、パフォーマンスとキャパシティーをそれぞれ独立して、スケールさせることができる」と説明する。 また、Deloitteとの提携は、HPEがNVIDIAと共同開発した「HPE Private Cloud AI」を利用して、AIのユースケースを提供するものだ。Neri氏は、AIソリューションを迅速に提供して実装するとした。HPEは、2024年9月に、HPE Private Cloud AIを使うAIパートナープログラム「Unleash AI」を発表しており、今後もパートナーを拡充する。 Neri氏によると、HPE GreenLakeの顧客は3万7000社を数える。この2年でHPE Private Cloudを強化し、OpsRampとMorpheusの買収により、IT運用とDevOpsをクラウドネイティブなサービスとして追加していると述べた。