これこそ求めていたサイズ感!3年ぶりにアップデートされた「iPad mini(A17 Pro)」が買いの理由
コンパクトなタブレットはやっぱり便利
iPad mini(A17 Pro)は、見た目としては前モデルから大きく変わらない。8.3インチのLiquid Retinaディスプレイは、解像度2266×1488、画面輝度は500ニトとなる。 本体サイズは195.4mm×134.8mm×6.3mm。質量はWi-Fiモデルが293g、Wi-Fi+Cellularモデルが297gとなっている。当然、スマホと比較すると重いが、タブレットとして考えれば超軽量。PCと合わせて持ち運んでも苦にならなかった。 コンパクトなサイズ感は、ベッドで横になって動画をみたり、屋外に持ち出してゲームをしたりと、何かと汎用性が高い。 大画面タブレットだと、どうしても腰を据えて使う場面が多くなるが、スマホの延長としてタブレットが使えることこそ、iPad mini(A17 Pro)の魅力だろう。 ボタン類は本体上部に集約されており、右側がTouch IDを搭載した電源ボタン、左側に音量調節ボタンとなる。顔認証機能は搭載されていないが、タブレットを使用する際には、スマホよりもある程度しっかりと手に持つことになるため、あまり不便には感じていない。 なお、本モデルより、SIMスロットは非搭載となり、eSIMのみの対応となっている。 ■iPadOS 18は優秀な計算機を搭載! Macと使うとやっぱり便利 初期搭載OSはiPadOS 18となる。iOS 18と同様に、ホーム画面のカスタマイズ性が向上しており、任意の位置にアプリやウィジェットの配置ができるほか、全体のカラーリングを統一できるようになっている。コントロールセンターも、カスタマイズ力が向上した。 iPadOS 18のわかりやすい進化点が、計算機アプリの導入。正直にいえば、今までなぜなかったのかと思わなくもないが、このタイミングでの計算機アプリの導入ということもあり、ただ計算をするのではなく、イコールといった記号を書いた瞬間に答えが表示される、グラフの作成もできるなど、ユニークな計算機になっている。 個人的に最も嬉しいアップデートが、ゲームモードの対応。iPad mini(A17 Pro)のように、取り回しのいいタブレットは、屋外でも、スマホより迫力を持ってアプリゲームがプレイできるのが1つの魅力だ。 ゲームモードでは、バックグラウンドのアクティビティを抑え、高いフレームレートを維持できるようになっている。これも、発熱が抑えられている1つの要因だろう。 また、新機能ではないが、iPad mini(A17 Pro)のサイズ感だとMacBookと合わせて持ち運び、サブディスプレイとして使うといった運用も大変有用だ。 同じAppleアカウントでログインしていれば、ワイヤレスでシームレスに接続でき、ラグもほとんど感じないため、屋外でも使いやすい。 ■Apple Intelligenceが利用できる最安デバイス 冒頭でも触れた通り、Apple Intelligenceの日本語対応は2025年中となっているが、重要なのは、iPad mini(A17 Pro)が、現在発表されているデバイスの中で、Apple Intelligenceに対応した最安のデバイスであるという点だ。 Apple Storeでの販売価格は、128GBが7万8800円から、256GBが9万4800円から、512GBが13万800円からとなる。近年のデジタルデバイスとしてはかなり珍しく、前モデルから値下げされての販売となっている点も見逃せない。 スマホ市場は成熟してきており、新しくスマホデビューする人を除けば、iPhone派、Androidスマホ派のように、ある程度自分好みのOSが決まっている人が増えてきている。 一方でタブレットは、スマホと比較するとまだ固まり切っていない、使ったことがないという人も多いのに加え、何度か方向転換をしているAndroidタブレットに対し、長年の積み重ねで地位を築くiPadシリーズという構図もある。 iPad mini(A17 Pro)は、Androidスマホユーザーに対しても、Apple Intelligenceを試してもらうための窓口のような役割を果たすのかもしれない。 すぐにとはいかないが、新しいAI機能を存分に味わいたいという人にとっては、有力な選択肢となるはずだ。もちろん、タブレット初心者、iPadシリーズユーザーの買い替えにも、十分におすすめできる製品となっている。 取材・文/佐藤文彦