追いつ追われるの激闘はPK戦の末、横浜創英がBグループ決勝へ!
10分ハーフの延長を終えても決着せず、勝負の行方はPK戦に委ねられた。 先にける横浜創英が次々に決めていけば、霞ヶ浦も負けじと3人連続でネットを揺らす。明暗を分けたのは4人目のキッカーだった。成功した横浜創英に対し、霞ヶ浦のPKは相手GKに阻まれる。この時点で、4対3と、前者が王手をかけた。 【フォトギャラリー】霞ヶ浦 vs 横浜創英 5人目のキッカーとして登場した横浜創英のキャプテン、FW11川上哲平(3年)が決めれば、炎天下の熱戦に終止符が打たれる。緊張感が漂う状況のなか、ひと呼吸置いてから助走に入った川上が冷静にけり込んだ。霞ヶ浦の5人目を待たずに、勝負が決した。 「PKのキッカーや順番は自分たちで話し合って決めました。自信がある選手が自己申告したという感じです。ボールを持つ時間が長かったけれど、CKから先制されてしまったり、PK戦にまでももつれ込んだり、難しい試合になりました。でも、気持ちを切らさず、最後まで戦うことができたので、そこはよかったと思います」(川上) 0-0のまま推移した試合は延長前半3分、ついに均衡が破られる。霞ヶ浦のエース、FW9吉沢友慶(3年)が右CKのチャンスを生かし、ねじ込んだ。だが、その喜びも束の間だった。 延長前半9分、横浜創英が振り出しに戻す。殊勲者はこの日、スタメン起用された1年生のMF24塩澤示月だ。左利きのDF2岡本ナオ(3年)からリリースされた左CKのボールのこぼれ球に鋭く反応した。 横浜創英の宮澤崇史監督がスタメンのシャッフルを示唆していたとおり、前日の試合から6人を入れ替えて臨んだ霞ヶ浦戦。塩澤のほかに1年生MF22鈴木快もスタメン抜擢されたひとりだった。 「全体を通して優勢に試合を進めていたと思いますが、最後のところの質、精度が足りませんでしたね。どこかで入るだろうという気持ちがありました。そこに“攻撃の危機感”を感じとってほしいと思います。失点についてもいちばん警戒していたセットプレーからでしたし、攻守両面で課題が出ました。そういう意味では、実りある試合。これを次につなげていかなければいけないです」(宮澤監督) “日々成長”を掲げる横浜創英は、Bグループ決勝に進出。東京成徳大深谷(埼玉)との一戦が控える。 (文・写真=小室功)