【このニュースって何?】G20が開かれる → 世界にはいくつグループがあるの?
日々のニュースの中に「学び」のきっかけがあります。新聞を読みながら、テレビを見ながら、食卓やリビングでどう話しかけたら、わが子の知的好奇心にスイッチが入るでしょうか。ジャーナリストの一色清さんがヒントを教えます。
経済規模の大きい主要国が集まるG20
主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が11月18、19の両日、ブラジル・リオデジャネイロで開かれました。G20のGはgroup(グループ)の頭文字のGで、20の国と地域のグループであることを示しています。 世界の主要な20カ国・地域としてグループになっているのは、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、イタリア、日本、メキシコ、韓国、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ共和国、トルコ、イギリス、アメリカ(アルファベット順)の19カ国とヨーロッパ連合(EU)、およびアフリカ連合(AU)です。これらの国・地域のトップが集まって、気候変動問題、ロシアによるウクライナ侵攻、アメリカのトランプ大統領の就任によって予想される貿易問題など、世界的な課題を話し合いました。 G20の始まりは1999年です。90年代後半に起こったアジア通貨危機に対処するために経済規模が大きい主要な国・地域の財務相・中央銀行総裁が集まって対策を話し合いました。それが上記の20カ国・地域だったのです。このときは、国のトップの集まりではなかったのですが、2008年にリーマン・ショックというさらに大きな経済危機が世界を襲い、首脳が集まる会議に格上げされてサミット(頂上)と呼ばれるようになりました。以来、10年まではほぼ半年ごとに、11年以降は毎年1回、参加国が順番に議長国を務める形で開かれています。 G20参加国の国内総生産(GDP)を合計すると、世界の8割以上を占めることになります。世界1位のアメリカ、2位の中国、3位のドイツ、4位の日本、5位のインドと世界上位の経済大国がずらりと入っているためです。そこで示される方向性は世界に大きな影響を与えることになります。 主要国の集まりとしては、ほかに主要7カ国首脳会議(G7サミット、途中ロシアが加わりG8の時代も)があります。こちらは中東戦争をきっかけに石油の値段が急上昇した石油危機(オイルショック)を受けて75年に始まったものです。アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、日本の6カ国でスタートし、翌年カナダが加わりG7となりました。G7は、市場経済や民主主義の価値を尊重する西側の豊かな7カ国が集まったものです。独裁的な専制主義国家も含まれるG20と違い、価値観の近い国が集まっています。サミットという呼び方はこの会議のためにできた言葉で、今も世界の課題を話し合う場として毎年、注目されています。