JR大阪駅すぐの新シアターが「神じゃん!」、座席のスペックが高すぎると話題
◆ 演者も「やりやすい」座席配置とは?
さらにこの座席、演じる側にとっても気配りがされている。人が座っていない状態のとき、座る部分は舞台に対して直角ではなく、やや下向きになる位置で固定。実はこれが直角になると、役者の声やBGMなどの音が座席ではねかえってしまう。そのため観客を入れないゲネプロで「これぐらいでいいか」と考えていた声量や音量が、本番で観客が入ったときに、想定よりも小さく聞こえてしまう・・・というケースが結構あるそうだ。 これによって役者や音響スタッフが調整に手間取ったり、ひどいときは無理して声を出して喉を痛めてしまうこともあるそう。そこで座る部分を少し下向きにして、音の反響を軽減することで、少しでも観客を入れたときの状態に近い形で、音の調整ができるようにしたという。まさに観客、役者、スタッフの要望を、きめ細やかに拾った結果生まれた座席なのだ。
◆ 「こだわり」は挙げ出したらキリがない
そのほかにも、車椅子用のスペースはエレベーターとほぼ直結とか、非常用の通路照明を極力観劇の妨げにならない位置に配したとか、2階席前方の手すりを客席部はできるだけ低く細くしたとか、この機会に実現できたことは非常に多い。 唯一見当たらなかったのが、最近の劇場ではメジャーになってきた客席部の傘立てだったが、これはまた別の対策があることを望みたい。またロビー&カフェスペースは内覧の時点では未完成だったので、こちらも客席に負けないほど、居心地と利便性の良い空間になっていくことを期待しよう。 「SkyシアターMBS」は3月27日に、「シアターBRAVA!」とも縁が深かった藤原竜也の主演舞台『中村仲蔵~歌舞伎王国 下剋上異聞~』で開幕(前売チケットは完売)。4月4~14日には、日本を代表するミュージカル俳優たちが大挙出演する『カム フロム アウェイ』を上演する。