「インド人の部下」100人と働く〈34歳年収1200万円商社マン〉が絶句…遅刻をしても残業はしない、やれないのに「やれます!」が口グセ
一言でいうと「お構いなし」、日系企業との相性は…
ーーやらなきゃいけない仕事が残っている状態でも、シレッと退勤しようとするんですか……。 日本のサラリーマンの感覚では理解も共感もできないでしょうが、これがインド人と一緒に働くということです。日本だと生活残業する社員っているじゃないですか。あの問題は、少なくとも僕が管轄している100名のインド人にはあり得ません。日系企業の皆様は痛感してると思いますが、インド人のマネジメントは本当に難しいです。 ーー日本人とインド人とでは、仕事への向き合い方が全然違うんですね。 インド人はまた、「かっこをつけたがる癖」もある気がしていて、ここも要注意です。僕から仕事をお願いした時、彼らは口では自信満々に「やります!」「やれます!」と言ってくれるんですけど……約束や納期を守らないのがデフォルトです。なので部下の進捗を逐一、確認する作業が欠かせません。 ーー日本の職場では考えられない光景ですね。 インドの職場を一言で表現するなら「お構いなし」の状態なんです。自分のやりたいことを、やりたい時にやる。アナタに対して何も言わない代わりに、私に対しても何も言わないでねってスタンスなんです。インド人って「寛容性」がものすごく高いんですよ。おそらく多民族国家で、人口が多いこともあり、人それぞれ思想が違うことを受け入れる文化なんでしょう。多様性を認める国民性は純粋にいいなって思いますが、組織として働くのには向かないのかなって。特に日系企業との相性はイマイチでしょうね。 ーーここ最近あった「お構いなし」のエピソードはありますか? これは毎日の光景ですが、みんな仕事中にペチャクチャ話してばっかりで……「ちゃんと仕事してくれ」って内心イライラしてます。それからウチの職場は飲み物以外禁止なんですけど、僕が外出したり席を外している時間は、みんなモグモグしているそうです。僕は100人くらいの部下をまとめてますが、心から信頼を置いているのは2人だけ。日本人の管理職からすると、ちょっとインド人の働き方は物足りないと言うか……頭を抱えてしまう部分は多いかもしれません。 * * * 本稿では日本人とインド人との働くうえでの「違い」を聞いてきたが、まだまだ興味は尽きない。後編記事〈34歳年収1200万円商社マンが「インド人の部下」を持って震えた…衝撃の「給料交渉術」と「転職戦略」〉では引き続きM氏に、「インド人の転職事情」や彼らの仕事上の強みなどについて聞いていく。
佐藤 大輝(ライター)