武居由樹10戦全勝で初防衛 「10月の天心君、頑張って」“キック出身対決”アピール
「ボクシング・WBO世界バンタム級タイトルマッチ」(3日、有明アリーナ) WBO世界バンタム級タイトルマッチで、王者の武居由樹(28)=大橋=は、元フライ級世界王者の比嘉大吾(29)=志成=に3-0の判定で勝ち、初防衛を果たした。武居は10戦全勝(8KO)。 【写真】やりきった男の表情 王者も挑戦者もすがすがしすぎる試合後の姿 判定決着の末に初防衛に成功した武居は、悔しさとも安堵(あんど)ともつかない涙をかみしめた。「すいません。自分の中ではこの勝ちに納得できていない。でも、大吾さんと最高の試合ができて良かった」。王者としてはふがいない。ただ、終了ゴングが鳴る瞬間まで殴り合った好敵手と熱く抱擁し、万雷の拍手を受けた。 敬意は殺気に変えた。親交も深い比嘉とは前日まで友好ムードも漂わせたが、リングに上がれば一変。互いに距離を探り合い、前に出てくる比嘉には得意のアッパーで迎撃し、足を使ってリズムをつくった。11回には左フックを食らい、力ずくでなぎ倒されダウンを奪われる場面もあったが、逆に12回には猛攻を仕掛けた。仕留めることはできなかったものの、王者としてのプライドを最後まで見せつけ「もっともっと強くなれる。大吾さんのおかげで(ボクサーとして)まだまだ上にいける」と激闘の記憶を体に刻んだ。 そして、リング上では「10月の(那須川)天心君、頑張ってください。応援しています」と異例の言及。キック出身同士の対戦を改めてアピールした。