歯磨きのあとに口をゆすいではいけない…毎日磨いているのにむし歯になる人がやっている「誤解だらけの習慣」
■水流圧洗浄機ではプラークは取れない プラークもバイオフィルムの一種で、落とすには歯ブラシでこするしかありません。 ちなみに近年、「プラークを完全に取り除く」といった触れ込みで、ウォーターピックが注目されています。直訳すると「水のつまようじ」で、水流で口腔内を洗浄する装置です。なかには1万円以上するものもありますが、プラークは水を当てただけでは取れません。 「プラークの除去能が最も低いのは水流圧洗浄器(細菌は水流で取り除けない)」というのは、歯科医師の国家試験にも出てくるほど常識で、かつ間違えやすい問題でもあります。水流で食べカスを取ることはできても、プラークは落とせません。使うと口の中がスッキリすることでも人気のウォーターピックですが、歯周病予防のためには歯磨きと併用して使うようにしてください。 ---------- 【処方箋】 歯周病予防では物理的にプラークを落とすことが大事 ---------- ■フッ素濃度の高い歯みがきを使ったほうがいいが… ---------- 【カン違い】 歯磨きのあとは、しっかりゆすいで口の中のバイキンを吐き出す ↓ 歯に取り込んで強くするためにフッ素成分を残しておくことが大事 ---------- 前項で歯周病予防には歯ブラシでプラークを落とす、つまり物理的作業が大事と述べました。一方、むし歯予防で大事なのは、フッ素の活用です。 市販の歯磨き粉に「フッ素配合」と表記されたものがあります。このフッ素が大事で、フッ素には、歯を強くして同じpHでも溶けにくくなる作用があります。一方で、再石灰化の働きを促す作用もあり、フッ素を取り込むことによって、歯の表面が「ハイドロキシアパタイト」から「フルオロアパタイト」に変わります。それによって歯が強くなり、むし歯リスクを大きく減らすことができるのです。 近年はフッ素が歯を強くすることが知られ、フッ素配合の歯磨き粉を使う人も増えています。前項で歯磨きの目的は歯周病予防と述べましたが、フッ素配合の歯磨き粉を使うなら、歯磨きでむし歯予防もできます。 むし歯予防効果のある歯磨き粉のフッ素濃度は1500ppmなので、これに準じる濃度の歯磨き粉を使うことが大事です。ただ、ここで残念なのがフッ素配合の歯磨き粉で、せっかくフッ素を使ったのに、その後、口をゆすぐことでフッ素を洗い流す人が多いことです。