【サブスクで観るならこの1本!】安田顕が全身全霊で怪演!42歳童貞男と金で買ったフィリピン妻の愛憎渦巻く人間ドラマ
サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2018年公開の『愛しのアイリーン』をご紹介します! ◇ 『愛しのアイリーン』(2018年・日本) (配信: U-NEXT / Hulu) 【画像】30人もの現地女性と次々に面会してパニック状態に陥る安田顕! 役者の真髄を楽しめる1作 ドラマ・映画化もされた「宮本から君へ」などで知られる新井英樹原作の同名漫画を、『ヒメアノ~ル』『空白』『ミッシング』などで知られる吉田恵輔監督のメガホンで実写映画化。42歳・独身・実家暮らしの宍戸岩男(安田顕)は、失恋の痛みから自暴自棄となり、コツコツ貯めた300万円を支払いフィリピンの嫁探しツアーに参加。そこで出会ったアイリーン(ナッツ・シトイ)と結婚して帰国するが、母親・ツル(木野花)は激昂。家族へ仕送りするために嫁いだアイリーンも心を開いてくれない。そんな状況の中、少しずつアイリーンとの距離を縮めていく岩男であったが……。 形は違えど、人のおかしさ、恐ろしさ、美しさなど、人間の本質的な部分を濃密且つ容赦なく描いてきた新井英樹と吉田恵輔の究極タッグに加え、制作は『新聞記者』『空白』『月』などの社会派映画を多数手がけるスターサンズ。この組み合わせで、面白くならないわけがない。それぞれ愛に飢えた登場人物たちが、愛を求めてむき出しの心で生きていく姿は、時に滑稽で、時に痛々しく、時に胸揺さぶられる。 徐々に通じ合っていく岩男とアイリーンの姿に胸が温かくなったかと思えば、とある出来事をきっかけに泥沼の人間模様へと転じていく様は、さながら感情のジェットコースターに乗っているかのよう。それらを体現するに至る安田顕ら俳優陣の名(怪)演にもぜひご注目いただきたい。ちなみに、原作者である新井英樹がパチンコ屋の客役でカメオ出演しているので、そちらもチェックしてみてください♪ (C)2018「愛しのアイリーン」フィルムパートナーズ ※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。 ミヤザキタケル 1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 WOWOW・宝島社sweet・DOKUSOマガジンでの連載のほか、ラジオ・配信番組・雑誌などで映画を紹介。イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など幅広く活動中。
ミヤザキタケル