だました側「断ったら家を燃やすと指示役に脅され...」一方でだまされた側「私がひっかかるわけないと甘く考えてた」深刻化する特殊詐欺『加害者・被害者が語る後悔』
被害者Cさん「甘く考えてた私がひっかかった」甥を助けたい一心で冷静さを失い…
神戸市内に住む80代のCさんも考える間もないままにだまされてしまったと話す。 (Cさん)「バカみたいなことだけど信じてしまった」 今年2月、甥をかたる男から「駅にカバンを忘れて中に入れていた会社のカードを止めてしまった。仕事で必要だから金を貸してほしい」と電話があり、40万円をだまし取られた。 Cさんは「とにかく甥を助けたい」と冷静さを失っていたと振り返る。 (Cさん)「甥は去年結婚したばかりだから、妻にも言えないんやなと思ったからね。『そんなもんに私がひっかかるわけないわ』と甘く考えてた。甘く考えてた私がひっかかった」
「『自分はだまされない』ではなく『自分はだまされる』とまず思うこと」
詐欺や心理学などに詳しい立正大学の西田公昭教授は、被害にあった2人の状況について、特殊詐欺の手口全般に見られる共通点を指摘する。 (立正大学心理学部 西田公昭教授)「焦らされて不安や恐怖の中で、あるいは甘い言葉の中で、とにかく急いで答えを出さなきゃいけない、どうしたらいいかわからない。そこに指示が与えられて、それに従うというものが構造的にある。『自分はだまされない』のではなく『自分はだまされる』というふうに自分のことをまず思うことがポイントです」 年々深刻さを増す特殊詐欺の問題。加害者にも被害者にもならないために、冷静になって立ち止まる必要がある。 (2024年8月28日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『特集』より)