「円安で海外遠征費が大変」 全日本選手権3連覇でも自作チラシでスポンサー募る21歳 スノーボードで五輪出場を目指す
昨季初めてスノーボードのワールドカップ(W杯)の舞台に立った飯田市山本出身の中京大4年金沢野愛(のあ)さん(21)=愛知県豊田市=が、目標としている2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪出場へ向け、技術と体力の向上やスポンサー集めなどの準備を着々と進めている。出場したW杯計3戦はいずれも予選敗退だったものの、「世界のレベルを感じ、たくさんの人に支えられていると実感できた。来季はW杯で結果を残し、オリンピック出場につなげたい」と意気込んでいる。 【写真】オリンピック出場への思いを語る金沢野愛さん
スノーボードは母の美和子さんの影響で5歳から始めた。当初は技の出来栄えを競うフリースタイルの選手だったが、飯田風越高校(飯田市)に進み、速さを競うアルペンに転向。「自然の中を自分の好きなスピードで滑るのが楽しい」と魅了された。より良い練習環境を求め、小学生の頃から白馬村など県内各地のスキー場に足を運んだ。高校時代は父の幸治さんとともに車で長和町まで一般道で5、6時間かけて通うこともあった。
中京大に進学後、21~23年には全日本選手権で3連覇を果たし、昨季は全日本スキー連盟の強化指定選手に選ばれた。試合があるのは11月から翌年の5月にかけてで、それ以外の時期は大学がある豊田市を拠点に練習。W杯で世界を転戦するための体力向上や筋力アップに向けトレーニングを重ねている。
昨季はカナダやチェコなど世界を転戦し、28大会に出場。昨年12月に念願のW杯出場権を得た。W杯では予選2本の合計タイムの上位16人が決勝に進み、決勝はトーナメントで競う。雪の状態は競技が進み、多くの選手が滑ることで変化する。「優勝するには6回のレースで安定した結果を出すのが大切」という。
昨季のW杯ではパラレル大回転とパラレル回転で計3戦に出場し、ドイツで行われた大会でのパラレル回転の23位が最高だった。「W杯では画面で見てきたトップ選手たちと競うことがうれしくて興奮した」と振り返る。