就職活動中の息子は「希望する初任給に満たない場合は内定を辞退する」という考えのようです。 父親の私としては「20万円」あればよいと思うのですが、実際はどのくらいもらえるのが一般的なのでしょうか…?
就職活動する学生が就職先を決定する際に注目し、重視することの1つが「給料」です。物価高騰もあり、できるだけ給料の高い会社に就職したいと願うのは、自然なことでしょう。 では、就職活動中の学生は、初任給にどの程度の額を希望しているのでしょうか?そこで今回は、就職活動中の学生が希望する初任給の額と、実際の初任給平均額を比較してみます。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
就職活動中の学生が希望する初任給の額は?
株式会社i-plugが、2023年に2025年卒業予定の学生に対し行った「新卒配属1年目の年収に関する調査」によると、新卒1年目に希望する年間の額面給与額は、表1のようになります。
※株式会社i-plug「新卒配属1年目の年収に関する調査」を基に筆者作成 表1を見ると、額面給与400万円以上を希望する学生が、43.7%となっています。前年の同じアンケート結果では31.3%であったことから、より高い初任給を求める人が増えていることが分かります。
2024年の初任給平均額
実際に、2024年新卒者の初任給がいくらだったのか、平均額を確認してみましょう。産業総合研究所が発表した「2024年度決定初任給調査」を基にした、学歴別の初任給額と対前年度の増加率が表2です。
※産業総合研究所「2024年度決定初任給調査」を基に筆者作成 高校卒業の新卒者の初任給18万8168円は、年収換算すると225万8016円、大学卒業の新卒者の初任給22万5457円は、270万5484円となり、400万円には、およそ130万円~175万円足りません。 400万円以上の初任給を得るためには、ボーナスを考慮しない場合ひと月当たり33万円以上でなければなりませんが、もっとも高い大学院卒業(博士)の場合でも、ひと月当たりおよそ25万円と8万円ほど足りない額です。 とはいえ、すべての学歴で対前年度増加率が3.5%以上と高水準となっています。
給与額が若手社員の退職率に影響する可能性
新卒の初任給が軒並み上がっている理由に、「人材確保」が挙げられます。新卒の就職活動は売り手市場といわれる今、よい人材を確保するために、初任給アップを意識している会社は少なくないでしょう。 また、新人や若手が早期に離職する原因の1つとして、給与額に満足できないことが挙げられます。入社1年~3年目までの正社員に対し行ったとあるアンケートでは、離職経験のある人のうちおよそ18%が、給与に満足できないことを理由に挙げています。 それだけ初任給の額は、就職や仕事を続けていくことに対し、重要なウエートを占めていることが考えられるでしょう。