今の、香港の醍醐味を存分に味わいたい! ノスタルジックかつモダンな、地元でも人気のスポットとは。
2021年11月にオープンした「M+」
アジア最大級のアートフェアとして知られる「アートバーゼル香港」が毎年行われているように、香港はアートも盛んな街。それを象徴するのが、2021年11月にオープンした「M+」だ。 ここは20世紀と21世紀の視覚芸術に特化したアジア初のミュージアムで、ネーミングにはミュージアムプラスという意味が込められている。作品を展示するだけにとどまらない21世紀にふさわしい美術館を目指して作られているのだ。 これまでの美術館の多くは欧米の美術史をベースに構成されているが、M+では20世紀以降のアジアの美術史、デザイン史、建築史を踏まえて作品を展示、収蔵している。 常設展示では、ダイハツのミゼットや、柳宗理のバタフライスツール、新橋からまるごと移設された倉俣史朗デザインの寿司屋「きよ友」など日本人の作品や日本製のプロダクトも数多く展示。見応えたっぷりの内容になっている。 総展示スペースは1万7000㎡で、全体で33ものギャラリー、3つの映画館、メディアテーク、屋上庭園、レストラン、ミュージアムショップなどを備えている。いわば、美術館の枠を超えたカルチャーの複合施設なのだ。 「M+」を設計したのはスイスの建築家ユニット、ヘルツォーク&ド・ムーロンで、スケールの大きな建物自体もひとつの作品と言っていいだろう。 そのすべてを観るには1日では足りないくらいの充実ぶりなので、時間に余裕を持って訪れることをオススメしたい。
商業地区の湾仔と銅鑼湾の中間に位置する「THE HARI」
せっかく香港に来たのであれば、宿泊先にもこだわりたい。商業地区の湾仔と銅鑼湾の中間に位置する「THE HARI」は、利便性に優れたロケーションとデザイン性の高いインテリアが魅力のホテルだ。 テーマに掲げるのは、アート、カルチャー、地域密着。共有スペースならびに全部屋にはロンドンのA Space For Artがキュレーションしたアートが飾られ、ラウンジスペースにはビジュアル本も置かれた館内は、心地よさと高揚感も味わえる雰囲気となっている。 ホテルには2つのレストランがある。ひとつは朝食をはじめ、ランチ、ブランチ(土日祝)、ディナーが楽しめるイタリアン「LUCCIOLA RESTAURANT & BAR」。 朝食はビュッフェ形式に加え、オムレツやトースト、エッグベネディクトなどからひと皿を選べるようになっている。カウンターに並ぶ料理のなかにはお粥もあり、香港らしさを感じられるのも良い。 午後はアフタヌーンティーが用意されていたり、ディナーでは絶品パスタをはじめとする本格的なイタリアンを堪能できるなど、時間帯によってさまざまな楽しみ方ができるレストランだ。 もうひとつは日本料理の「ZOKU RESTAURANT」。ZOKUは日本の“一族”からとったネーミングだ。 折り紙をモチーフにした天井や、木や大理石、銅や鉄を組み合わせた内装はモダンで落ち着いた雰囲気。 メニューを開けば、CHIRASHIやMORIAWASE、ROBATAYAKIなどの文字が並び、コンテンポラリーな和食や、日本食をベースとしたフュージョン料理が味わえる。 隣接する「THE TERRACE」では、湾仔の景色を眺めたり、外の風を感じながら、食事やドリンクを楽しむことができる。「ZOKU RESTAURANT」で食事をしたあとに「THE TERRACE」でバータイムを過ごすような使い分けもオススメだ。
取材協力:香港政府観光局 Photo & Text:Hiroya Ishikawa
朝日新聞社