今の、香港の醍醐味を存分に味わいたい! ノスタルジックかつモダンな、地元でも人気のスポットとは。
香港で、今、熱いのがバーカルチャーだ。それを裏付けるように2024年のAsia’s 50 Best Barsでは、トップ10にランクインしたバーが東京は1軒に対して、香港は1位に輝いた「Bar Leone」をはじめ4軒となり、アジアではダントツの結果に。トップ50まで含めても、シンガポールと並びトップとなる9軒がランクイン。そのなかから今回、2軒のバーを紹介する。
マンダリン オリエンタル 香港の25階にある「The Aubrey」
2024年のAsia’s 50 Best Barsで第10位に輝いたのが、マンダリン オリエンタル 香港の25階にある「The Aubrey」だ。銀座の居酒屋と19世紀のジャポニズムをコンセプトにした和風居酒屋をうたうバーで、エントランスには暖簾(のれん)が掲げられ、それをくぐって店内へ。 内部はバーエリア、応接スペース、アンティーク調のラウンジに分かれ、全体的にオーセンティックなバーの雰囲気でありながら、壁には浮世絵や掛け軸が飾られているあたりにコンセプトが感じられる。席によってはビクトリア・ハーバーの絶景と共にカクテルや料理を楽しめるのもポイントだ。 メニューを手がけるバーテンダーのデベンダー・セーガルは鹿児島の焼酎アンバサダーとしても活躍。それだけに芋焼酎や麦焼酎、ニッカのウイスキーなど日本のお酒をベースにしたカクテルも多くラインアップ。外国人の目や舌を通すことで、日本のお酒がどのような味わいに変化したのか? そんな日本人ならではの楽しみ方もできるバーが「The Aubrey」なのである。
多感覚ミクソロジーを楽しめるバー「QUINARY」
アンティークショップやアートギャラリーが集まるハリウッドロード。この一角にたたずむ多感覚ミクソロジーを楽しめるバーが「QUINARY」だ。 店を率いるのは、ディアジオ ワールドクラス 2015 香港&マカオチャンピオンのバーテンダー、アントニオ・ライ。現在、香港で複数の店舗を展開するアントニオ・ライ氏。「QUINARY」はその第1号店となる。 カクテル作りには真空調理器や遠心分離機、回転式蒸発装置などが使われ、常識にとらわれず、さまざまな実験を繰り返しながら、ここでしか飲めない一杯を生み出している。 なかでも看板カクテルの「アールグレイキャビアマティーニ」は、多感覚ミクソロジーを存分に感じられる一杯だ。オレンジリキュール、柑橘類のウオッカ、エルダーフラワーシロップで作られ、その上にははじけるお茶のキャビアと泡状になったアールグレイの空気がトッピングされている。見た目、香り、舌触り、食感などさまざまな角度からこのカクテルを楽しんでみるといいだろう。 2012年のオープン以来、10年以上にわたって人気が絶えない秘密を、個性的なカクテルの数々から感じ取りたい。