【厚生年金】「106万の壁」撤廃へ 手取り減に不安の声も 平均受給額が高い都道府県は?
年収換算で106万円以上の賃金を受け取っている学生以外の人を対象とした、企業の厚生年金に加入する要件、いわゆる「106万円の壁」。厚生労働省はこれを「最低賃金の引き上げに伴い必要性が薄れている」とし、「106万円の壁」撤廃案を2024年12月10日に審議会の部会に示し、了承されました。 【画像:ランキング47位~1位を見る】 これまで厚生年金加入要件は、「従業員51人以上の企業」「週20時間以上労働」「月額8万8000円以上の賃金受け取り」「年収換算で106万円以上の賃金受け取り」が条件でした。今回提出された撤廃案では、2026年10月をめどに「106万円の壁」が撤廃されることを想定しており、加えて企業規模の要件も2027年10月をめどに撤廃想定。そのため、週20時間以上働く人が加入対象となります。 これらの撤廃により、保険料の負担で労働者の手取り額が減るという声も上がっており、厚労省は「月収13万円未満の人については、各企業の判断で企業負担の保険料を多くできる」とする特例制度を提案。しかし、特例制度により中小企業の負担増、企業間・労働者間での不公平を招くと指摘されています。 これまで「106万円の壁」を意識し“働き控え”していた労働者を減らし、人手不足解消に繋げる目的があるという今回の撤廃案。「週20時間以上労働」という項目は撤廃されないため「意味がない」と指摘する声もあり、まだまだ課題が山積みです。 新たにおよそ200万人が加入の対象となる見込みの厚生年金ですが、今回は現状の加入者がどのくらいの金額を毎月受給しているのか、政府統計の総合窓口(e-Stat)で公開されている、厚生労働省による2022年度の「厚生年金保険・国民年金事業年報」を基に、厚生年金の「平均受給月額が高い都道府県」をランキング形式で紹介します。 受給者数は、第1号厚生年金被保険者(国家公務員共済組合・地方公務員共済組合の組合員・私立学校教職員共済法による私立学校教職員共済制度の加入者である被保険者を除く厚生年金保険の受給者)を対象とし、平均年金月額には基礎年金月額を含んでいます。 (出典元:政府統計の総合窓口(e-Stat)「厚生年金保険・国民年金事業年報 令和4年度」)