アメリカの若者たちのあいだで流行る「マニフェステーション(願望実現)」とは? 支持される背景を探る
◆若者たちのあいだで流行る「マニフェステーション」とは?
続けて、医大生で医師を目指すミクア、テレビ局勤務のヒカル、大学院生のノエに2024年の抱負を聞きました。 ミクア:私は今年大学を卒業予定なので、ちゃんと卒業できることが主な抱負かな。そして、年末には医科大学院のためのローンを組まなければいけない。幸いにも、すでにプログラムに入っているので受験の必要はないけれど、いい成績を維持し、どうやってローンを組むかが重要。 そのためには、日々の生活に一貫性を保つこと、ルーティンを守ることが本当に重要だと感じている。決まった時間に起きて、睡眠スケジュールを守り、食事についても規則正しく、いいものを食べるようにしたい。 ヒカル:仕事が僕の生活の大きな部分を占めているんだ。そのためには、健康を保つこと。アメリカ中を飛び回って撮影をするには体力がいるからね。(漫画の)「ワンパンマン」って覚えてる? 5年くらい前にアメリカで「ワンパンマン・チャレンジ」というワークアウトが流行ったんだ。その真似をしているよ。非常にシンプルで、何も考えずにただやるだけ。 ノエ:新年の抱負ではないかもしれないけれど、去年の9月にフランスのリヨンに引っ越した頃、ユースホステルでオーストラリア出身の女の子と出会ったんだ。彼女はマニフェステーションに興味を持っていた。その彼女が、お金、男性、バケーションなど、さまざまなものをマニフェステーションで引き寄せる方法を教えてくれた。それを私もやってみて、数ヵ月以内に手に入れたいことを、いくつかノートに書いたんだよね。 マニフェステーションのノートを見返してみたら、75パーセントは実現していたんだ。だから、新しい年の抱負も、マニフェステーションのノートのように書いてみた。まだ親の助けを少し受けているから、金銭的な安定と独立が一番欲しいものだね。フルタイムの仕事をやってみたいと思っているけれど、自分に合った仕事につけるか心配。でも、少なくとも試してみるべきだと言ってくれた人がいたり、自分でもそうかなと納得したので、今年はトライしてみるつもり。 マニフェステーションとは、ポジティブに考え、願い、それを実現することを目的としたプロセスを意味する言葉。日本における「引き寄せの法則」と似ています。 実は、アメリカのZ世代はマニフェステーション世代と言われるほど(マニフェステーションの)人気があり、TikTokでは非常に多くの関連動画が投稿されています。 Z世代評論家のシェリーは「Z世代は他の世代に比べて1.4倍ぐらいマニフェステーションが好きです。ポジティブ・シンキングとして捉えている人も多いですが、ニューエイジ的、非科学的と嫌う人もいます」と解説。 ニュース媒体のビジネスインサイダーの記事では、マニフェステーションが好まれる要因について「パンデミックや戦争のさなか、自信とコントロールの感覚を求めるのは理にかなっている。特に医療、住居、経済的な安定といった必需品が自己責任とみなされるようになると、人々は自分たちで何とかしなければならなくなる」とコメントしています。シェリーは「(マニフェステーションが)サバイバルとして機能しているのかなと思いますね」と語り、話題を締めくくりました。 (interfm「sensor」2024年1月12日(金)放送より)