伊藤健太郎、俳優デビュー10周年で見据える未来「実力や芝居力とともに、人間力をつけていかなければ」
◆本宮泰風&山口祥行に寄せる感謝 『静かなるドン』がもたらしたものとは?
ヤクザにもかかわらず、争いが嫌いな静也。本作では、「新鮮組」の総長として極道社会を変えていこうと決意した静也の、新たな戦いが描かれる。そんな彼にとって強敵となるのが、山口祥行が演じる謎の殺し屋Mr.J。静也は、ナイフと銃を手にしたMr.Jとバトルを繰り広げるなど、緊迫感に満ちたアクションシーンも大きな見どころだ。 「以前からいろいろな作品を観ていて、山口さんのアクションが大好きだったんです。ご一緒できて光栄でした」という伊藤は、対峙した山口の印象について「気を抜いたらやられるなという、ヒリヒリとした覇気が出ていました」と圧倒されたという。「アクションって、集中力やお互いへの信頼関係がとても大事になるもので。ちょっと恋人同士に似た感覚にならないと、ケガをしてしまう可能性もある。だからこそ山口さんとはたくさんお話をさせていただいて、信頼関係を築きながら呼吸を合わせていきました」と回顧し、「山口さんからアクションの動きや見せ方など、細かい部分の技術についてたくさん教えていただきました。ものすごく助けていただいた」と感謝しきりだ。 アクション力を磨いた秘訣について聞いてみると、「昔アクションスタジオに通っていた経験があって、あとは作品ごとに練習をしたり。それに僕、アクション映画を観るのが大好きなんです。映画を観ながら研究しています」と語った伊藤。「ジェイソン・ステイサムやトム・クルーズ、ウィル・スミスなど、それぞれに違ったアクションの魅力があるんですよね。僕はその都度、いろいろな人のカッコいいなと思ったものを参考にしています。静也のファイティングポーズは、ジェイソン・ステイサムの『トランスポーター』のアクションを参考にしています」と明かす。 昼と夜でまったく違う顔をみせる静也のギャップを含め、伊藤にとって本シリーズはあらゆる表情を披露する作品となった。「“昼静也”と“夜静也”では、全然違う作品の現場に入っているような感じ」と笑った伊藤だが、自身にとって本シリーズとの出会いはどのようなものになっただろうか。 伊藤は「極道の世界を描くジャンルの作品には、もともととても興味があって。以前から『やってみたいな』と思っていました。こういった役と巡り会えた喜びや、『静かなるドン』に挑戦させていただけたことで、少しやれることの引き出しが増えたのかなと感じる部分もあります」としみじみ。また本シリーズの総合プロデューサーである本宮と過ごす時間も特別なものとなり、「前作では僕自身、模索しながら静也を演じていました。僕が悩んでいることを察した本宮さんが、『まずは自由にやってみろ。それでいいんだ』と声をかけてくれて。本宮さんはプライベート含め、仕事においても、僕にものすごく寄り添ってくださる方。『静かなるドン』と本宮さんに出会えたことは、これからの役者人生にとっても大きなことです」と実感を込める。