和菓子クオリティの美味しいあんこがアスリートのパフォーマンスを向上させる
~ドーピングと飲みやすさへの対応
あんこの必要性を理解した次は、実用性を考えた。絶対にドーピングに引っかからないこと。そしてパフォーマンスを行うにあたってアスリートの妨げにならないこと。この2つをクリアすることが重要だった 「あんこは食品なのでドーピング違反の恐れがありません。どの競技でもドーピング検査の厳格化が進む中、アスリートの方々も安心して摂取できます。また『飲むあんこ』にすることでパフォーマンス中に手軽に摂取できるのも大きいです」 『飲むあんこ』にするためには糖度の調整が必要となった。糖度を高くすると羊羹のように固くなって飲みにくく、低過ぎると日持ちが悪くなるからだ。 「賞味期限を考えれば糖度は高い方が望ましいですが、美味しさと飲みやすさが最優先です。美味しいと思えるものを、手軽に楽しんで食べてもらうことを目指しています」 「東京の和菓子店の間で絶大な信頼を誇る製餡所・木下製餡様に協力いただき開発しました。木下社長が『こんな糖度のあんこは作ったことがない』というほどの低糖度で作り上げた。味を落とさず飲めるあんこができました」 さらにこだわったのは「マイナスのサプリメント」だった。通常のサプリメントのようにプロテインやアミノ酸など添加物をプラスするのではなく、余計なものを一切入れないことを決めた。 「現役時代に摂取したサプリメントが美味しかった記憶がない。普段から多くの我慢をしているアスリートたちに美味しいものを飲んで欲しい。余計な添加物、塩さえも入れず小豆と砂糖だけで作り上げました。和菓子クオリティで誰が食べても美味しいはずです」 大粒の小豆とショ糖99.9%以上の最高級ザラメ「鬼ザラ糖®」だけで作り上げた。スパウトパウチに入れたことでアスリートたちは手を汚すこともなく、美味しいあんこを手軽に摂取できるようになった。
~あんこで血糖値100-120を維持する
試行錯誤の末、2020年1月に飲むあんこ『theANko』を発売。「スポーツ界で信頼を得るためにはエビデンスが必要」と考えた平子氏は、大学の先輩である至学館大学健康科学部スポーツ科学科・髙橋淳一郎教授に調査を依頼した。 「身体が最も快適に動ける数値が血糖値100-120の状態です。『theANko』摂取でこれを4時間以上維持できます。集中力や疲労回復に関係する血糖値を維持する力は、市販のスポーツドリンク等より優れていることが証明されました」 科学的なエビデンスがとれたことで、『theANko』には多くのアスリートから注目が集まった。野球、競泳、水球、サッカー、バスケットボール、卓球、バドミントン、トライアスロン、ボクシング、ボディビル、クライミングなど、数多くのトップアスリートが飲用している 「阪神の近本さんは試合中もベンチで摂取しています。自転車ロードレースのプロチーム・宇都宮ブリッツェンは公式パワーフードに採用してくれている。クライミングで昇る前に自分のルートを考える時に集中力が増すという選手もいます。トップ選手が信頼して『theANko』を摂取してくれるのは嬉しいです」 平子氏は現場へ足を運んだ際、可能性を踏まえた上での提案も行なっているという。 「週末に行われる水泳大会なら、土曜日が予選と準決勝で日曜日に決勝が行われるケースが多い。予選、準決勝の間はあんこだけで臨んだ方が胃に食物がなく、0コンマを競いやすいのではないか。スイマーによっては良い結果が出ている場合があります」 「試合前ミーティング等、頭を働かせる場面で『theANko』を摂取すれば集中力が増すはず。さまざまな摂取方法、時期があり、個々によっても違いがあります。まずは色々試して、自分自身に最も適した摂取タイミングを見つけて欲しいです」