名スカウトが注目した侍ジャパン大学のドラフト候補は?
第40回日米大学野球選手権大会が17日、侍ジャパン大学日本代表の優勝で閉幕。静岡の草薙で開催された親善試合で、侍ジャパン大学日本代表は、2勝2勝で迎えた第5戦、タイブレークが採用された延長10回に5-4でサヨナラ勝利して2大会連続18度目の優勝を飾った。 大会を通じて日米のスカウトがネット裏に勢ぞろい。侍ジャパン大学は、ドラフト候補生の宝庫で、2013年の前大会では、代表メンバーのうち17人がプロ入り、大瀬良大地(九州共立大→広島)、山崎康晃(駒大、当時3年→横浜DeNA)、杉浦稔大(国学院大→ヤクルト)、中村奨吾(早大、当時3年→ロッテ)ら後に6人がドラフト1位で指名された。 今大会も、別表のようにドラフト上位候補が活躍したが、元ヤクルトのスカウト責任者で、古田敦也や、宮本慎也らを発掘した片岡宏雄氏に、気になる選手をピックアップしてもらった。 投手で名前を真っ先に挙げたのは、この日のゲームで2番手として登板した佐々木だ。巨人の斎藤雅樹氏を彷彿させるようなサイドハンドの独特のピッチングフォームで、12日の開幕戦では、7回を投げて12奪三振1失点、最速は自己最速を更新する153キロを示した。シンカーを駆使して左打者対策にも問題はない。 「一番ピッチャーらしかったのが佐々木。素材としての魅力があり、ボールにキレがある。しっかりと指にかかったボールは150キロを超えるのだから十分だろう。ただ、第5戦で崩れたように、まだストレートにムラもあり、ここ一番での思ったところへのコントロールもまだない。都立高校出身でもあり、体が未完成なのだろう。ただ、今回、選ばれた投手陣の中では、一番の上位指名候補じゃないか」 第5戦に先発指名され、4回3分の2を無失点。大会MVPを獲得した明大の柳、7回二死満塁で、痛恨の満塁同点アーチをスコウグに打たれた立教大の田村の2人については、厳しい見方をしている。 「柳のカーブを使った緩急は、アメリカには有効だったが、日本のプロでは通用しない。球筋は重たそうで、素材としては楽しみだが、キレが足りないし、カウントも取れウイニングショットにも使える変化球が必要だろう。秋にかけて成長を見せないと上位指名は厳しいと思う。田村は、投げっぷりはよく、ストレートには力があるが、まだ荒さが目立つ。力投型にすると、少し上背が足りないのも気になる」 田村は昨秋までわずか2勝だったが、今春に4勝を挙げてブレイク。うち2試合は完封勝利で、空振りの取れる最速150キロのストレートが買われ、今大会ではストッパーに指名されていた。