手術中に神経切断され後遺障害 赤穂市民病院の執刀医を在宅起訴 地検姫路支部
赤穂市民病院(赤穂市中広)で2020年1月、女性患者(79)が腰の手術中に神経を切断され後遺障害を負った事件で、神戸地検姫路支部は27日、業務上過失傷害の罪で、執刀医の男(46)=大阪市淀川区=を在宅起訴した。同支部は男の認否を明らかにしていない。 【写真】医療事故が相次ぎ会見の冒頭で謝罪する牟礼正稔市長(左から3人目)ら 起訴状などによると、20年1月22日、女性患者の腰椎の一部を切除する手術の際、出血が多く患部が確認できない状況だったにもかかわらず十分な止血措置をせず、ドリルで誤って神経を切断して両足に重度のまひが残る後遺障害を負わせたとされる。 一方、上級医として手術助手を務め、男とともに今年7月に書類送検された男性科長については、不起訴処分とした。 赤穂市のこれまでの説明では、男は19年7月に同病院に着任。その後、約8カ月間に携わった手術で8件の医療事故が確認されている。今回起訴された事案はそのうちの1件で、病院側も過失を認めている。男は21年8月に依願退職した。 女性患者と家族は現在、赤穂市と男に慰謝料など計約1億1500万円を求める訴訟を神戸地裁姫路支部に起こしている。 男と男性科長ら計3人は、19年の別の医療事故で虚偽の報告書を作成したとして、有印公文書偽造・同行使の疑いでも書類送検されたが、同支部はいずれも今月27日付で不起訴処分とした。理由は明らかにしていない。