飛び降り直前の男性抱き留め命救う 西宮甲英高等学院の生徒「無我夢中で、ただただ『助けないと』」
橋から飛び降りようとしていた高齢男性を助けたとして、兵庫県警伊丹署は西宮甲英高等学院2年の宮本航旗さん(18)=同県宝塚市=に県の善行賞「のじぎく賞」を伝達した。宮本さんは欄干を乗り越えようとする男性を背後から抱き留め、警察への通報を通行人に呼びかけた。警察官が到着するまで「死にたい」と暴れる男性を離さなかった。(貝原加奈) 【写真】橋の欄干から飛び降り図る女性を保護 龍野高生ら3人に県の善行賞 「無事でよかった」 10月25日午後8時40分ごろ、体を動かそうと伊丹市内の公園に自転車で向かっていた宮本さんは「助けて」という女性の叫び声を耳にした。目を向けると、武庫川にかかる橋から飛び降りようとする男性が見えた。とっさに自転車を飛び降り、男性の後ろから抱きついた。高さ80センチほどの欄干には両手と片足が掛かり、「離してくれ」と暴れる男性を抱えて歩道に引き戻した。 通りかかった女性に110番を頼み、制止を振り払おうとする男性を「自殺したらだめ」「飛び降りたらだめ」となだめ続けた。警察官が到着するまでの約15分間が長く感じたが、無事引き渡した。翌月、男性の妻から「ありがとう」とお礼があった。 小学1年から野球一筋という宮本さんは、身長180センチ、体重110キロ。「無我夢中で、ただただ『助けないと』と体が動いた」という。「うれしい。こんな行動が自分にできるんだと自信がついた」と胸を張った。