日本で地道に働くフリーランスだが…〈海外移住で税金ゼロ円〉に衝撃。その具体的なスキームとは?【弁護士が解説&助言】
香港を利用するなんて「チャイナリスク」が心配!
Q3 香港は自由を失い、チャイナリスクが大きいのでは…? 中国共産党が香港支配を強め、香港人も海外へ逃げているなか、日本人がわざわざ香港を使う必要はないのではありませんか? チャイナリスクが心配です。 A3 法人設立や銀行口座開設の容易さ、金融機関の信頼性など、複数のメリットがあります たしかに、香港には、他国(英国、オーストラリアなど)のパスポートやビザを持っている人が多いです。ですから、「日本人がわざわざ香港法人を使う必要はない!」という気持ちもわかります。 ただ、法人の設立しやすさ(現地在住の株主・取締役が不要であるなど)、銀行口座の開設しやすさ、金融機関の信頼性などの点で、いまなお香港法人は便利です。 また、香港では民主主義や報道の自由などへの制限は強まっているものの、ビジネスや投資の分野では自由が維持されていますから、香港法人の使い勝手は損なわれていません。 筆者自身、2018年に香港で起業して今は東京常駐ですが、日本法人やシンガポール法人を経営しつつも、香港法人も引き続き経営しています。 Q4 国外の法人に収入が入ったとしても、オーナー個人はどうやって生活すればいいのでしょうか? タイ・マレーシアに居住しながら香港法人名義で仕事を受注していたら、香港法人にお金が入っても個人にはお金がなく、居住地でお金を使えないのではありませんか? とくに、タイ居住者の場合、2024年からタイ国外で得た所得に対しても課税されるようになったので、難しいのではないかと思います。 A4 個人にお金を移す場合は、香港法人から個人へ「配当」のかたちにする! タイ・マレーシアでの支出のうち、香港法人の経費として認められる支出もあるでしょう。香港法人の口座から引き落とせるクレジットカードやデビットカードを作っておくと、簡単に支払できて便利です。 ただ、香港法人の経費といえない支払のため、個人にお金を移す必要もあるでしょう。それらは、香港法人から個人へ配当のかたちで可能です。 さて、タイでは国外所得も納税されるようになったという点ですが、タイ国外で納税済みの所得は、タイに持ち込んでも再度課税されることはありません。日本国内で納税済みの所得をタイに持ち込むのが良いでしょう。