中国国家移民管理局は17日、中国を訪れる外国人への通過査証（トランジットビザ）の免除措置を同日から拡大すると発表した。乗り継ぎ目的で一時入国する場合の滞在時間を、従来の72時間または144時間から240時間（10日間）に延長した。トランジットビザ免除措置を使って出入国できる口岸（出入国検査場）や滞在を認める地域も広げた。 　トランジットビザの免除措置は、日本や韓国、シンガポール、米国、カナダなど54カ国の国民が対象。 　滞在可能な地域は、新たに山西、安徽、江西、海南、貴州の５省を追加し、従来の19省・自治区・直轄市（地域）から24地域に広げた。安徽、海南、貴州は省内全域が対象。山西省は太原市と大同市、江西省は南昌市と景徳鎮市に限定する。 　一方、福建、湖北、陝西の３省は、滞在を認める地域を省全域に拡大。広西チワン族自治区も南寧市、柳州市、桂林市など12地域に広げる。 　対象の24地域内であれば、地域をまたいだ移動も認める。 　トランジットビザなしで出入国できる検査場は、従来の39カ所から60カ所に拡大した。 　詳細は通信アプリ「微信（ウィーチャット）」の移民管理局の公式アカウントで確認できる。 　■外国人の入国増加 　中国ではビザの免除や乗り継ぎ目的のビザなし入国制度を利用して中国を訪れる外国人が増えている。 　移民管理局によると、2024年１～11月に中国を訪れた外国人（延べ人数）は前年同期比86.2％増の2,921万8,000人で、ビザなしでの入国は2.2倍の1,744万6,000人と約６割を占めた。このうちトランジットビザ免除措置を利用した外国人は2.3倍。